では、なぜ日本球界には年功序列の“しきたり”が存在するのか。
「野球では部活動から先輩後輩のタテ関係で成り立ち、それはプロになっても例外ではありません。先輩はグラウンド内外でも、特に同じポジションの後輩の面倒を見るのは当然で、食事を“おごる”ことで先輩風を吹かせる、威厳を保つこともできるんですね。
ただ、きびしいタテも今は昔で、プロでも先輩後輩の壁は低くなり、中には年下からイジられるベテランも多くなりました(笑)。にもかかわらず自分より何倍も稼いでいる後輩におごらないといけない。その“しきたり”も選手にとってレギュラーを奪取する、年俸を上げるモチベーションになるのでしょう」(前出・スポーツライター)
元読売ジャイアンツOBで、打撃チーフコーチも務めた“デーブ”こと大久保博元氏(59)も、球界のしきたりに悩まされたひとりだ。2024年4月9日に『ゴゴスマ~GO GO!smile~』(TBS系)に出演した際、こんなエピソードを披露している。
山本由伸投手(27)がドジャース移籍後に初勝利を挙げたことを特集する中で、大谷やチームスタッフとシカゴ市内の焼き肉店で食事をしたことを取り上げた。大谷が支払いをしようとしたところ、年長者の中島陽介トレーナー(55)がすでに会計を済ませていたというもの。
年俸3億の後輩に2000万円の先輩が
“おごり文化”の話を振られた大久保氏は「(自分にも)ありましたよね」と当時を振り返り、
「清原が(年俸)3億も5億ももらっているのに、2000万の私がおごるというね」
「清原」とは、西武ライオンズ時代からの1学年下の後輩で、1996年にFAで巨人入りした清原和博氏(58)のこと。この時の契約は3年総額10億円ともされた。
デーブ氏が引退したのは1995年のことから、おそらく選手同士ではなく、OBと後輩としてたまに食事をしていたのだろう。引退後はタレント活動で稼いでいたデーブ氏だが、やはり野球界の“しきたり”に倣って自分より10倍以上も稼ぐ清原氏におごっていたようだ。
「ただ、“ゾンビたばこ”の吸引で起訴、広島(東洋カープ)を契約解除になった羽月隆太郎被告(25)に関する報道で、先輩選手から“じゃんけんでの支払い”を持ちかけられていたとする一部週刊誌報道もありました。
もしかすると一部チーム、選手間では年長者のおごりではなく、今の時代に習って“割り勘”とする風習も広がっている可能性はあります。それでも高年俸をもらっているならともかく、自分より稼ぎが低い後輩に支払いを求めるのはどうかと思いますが」(前出・スポーツライター)
先の番組内で「最近は年功序列じゃなくて、“年俸序列”しようっていうのが」との提案もしていたデーブ氏。清原氏にとって今も良き先輩なのだろう。
















