ランリュックの謎

 通報を受けて京都府警や地元消防署、消防団らによる捜索が始まった。

「学校に複数台ある防犯カメラに安達さんが登校する姿は映っていませんでした。車を降りた安達さんを目撃した児童や保護者もゼロ。安達さんの親族が3月29日、学校から西に約3キロの山中のガードレールの裏側で安達さん所有の黄色のランリュック(通学かばん)を発見しましたが、周囲からほかの持ち物は見つかっていません。

 発見場所は消防団が3日間にわたって捜索済みで、そのときは発見できませんでした。見つけられなかったのか、あるいはあとから置かれたのか。3月25日には雨が降っていますが、ランリュックには雨にあたった汚れなどはなかったといいます」(前出・記者)

 ランリュックは、ランドセルリュックとも呼ばれ、ナイロン製などで革製ランドセルより軽く背負いやすい。10万円以上の高級品もあるランドセルと比べて1万数千円程度と安く、府内で人気という。

 ランリュックの発見場所と学校を結ぶ複数のルートで防犯カメラの映像などがチェックされたが、手がかりや目撃情報は得られていない。

「小学生がこんな見通しのいい道をひとりで歩いていたら目に入るはずなんだけどね」

 と地元の男性はいぶかしむ。

 学校近くの竹林には「鳥獣保護区」の立て看板がある。

「獣といってもイノシシ、タヌキ、イタチなどです。近隣の畑は作物を食い荒らされる被害に悩まされていると聞きました」(商店の70代女性)

 昨年、全国的に里山や市街地で出没が相次いだクマの目撃情報はないという。

 近くには大きな河川もあるが、「今どきの子は川では遊びませんよ。溺れるような事故は記憶にありません」(防犯ボランティアの80代男性)

「学校でいじめやトラブルは確認されておらず、ひそかに電車やバスに乗った形跡もありませんでした。家出する理由も見当たらないのです」(前出・記者)

 安達さんの自宅は学校から南西に約9キロ離れている。2006年に園部町など4つの町が合併してできた南丹市では学区が拡大し、スクールバスを利用する児童は少なくない。