巨人期待の若手・山瀬慎之助がプロ初本塁打を放ち、自慢の強肩で正捕手争いの最前線に躍り出た。だが、実績ある捕手陣の“渋滞問題”は深刻で、キャプテン岸田行倫の立ち位置やFA加入した甲斐拓也の二軍塩漬け状態がチームの火種になりかねない。5割付近から抜け出せないチームにとって、扇の要の固定は急務だが、その出口は見えず、ファンの間でも論争が激化している。
OBも危惧する“飼い殺し”
4月11日のヤクルト戦、8番・捕手で先発出場した山瀬慎之助に待望の瞬間が訪れた。0―2の3回先頭、山野太一の投じた直球を完璧に捉えると、打球は高々と舞い上がり、そのまま左翼席へと飛び込むプロ初本塁打となった。勝利には繋がらなかったものの、山瀬はプロ7年目、通算33打席目での待望の一発に「甘いボールを完璧に捉えることができました。勝てるように守備でも頑張ります」とコメント。二軍監督時代から指導する阿部慎之助監督も、「勝ってたらもっとかっこよかったんだけどね。これからまだまだ先長い。チャンスは必ず来る」と目を細めた。
山瀬の武器は球界トップクラスを誇る“爆肩”だ。4月2日の中日戦では、昨季12盗塁の田中を二塁送球1.8秒を切るタイムで刺すなど、守備面での信頼は厚い。課題だった打撃でも成長を見せる若武者に対し、ファンからは「もっと山瀬を使ってほしい」との声が噴出している。
「巨人は正捕手を一人に固定できておらず、それが勝率5割付近から突き抜けられない一因となっているように思います。山瀬の台頭は阿部監督やファンにとって喜ばしいこと。しかし、勢いのある山瀬を重用すればするほど、今度は今年からキャプテンに就任した岸田の出場機会が奪われるという新たなジレンマに直面します。 OBの駒田徳広氏はシーズン前から『キャプテンが控えに回るとチームが“陰の空気”になり、元気がなくなる』と危惧していましたが、まさにそれが現実味を帯び始めています」(スポーツ紙記者、以下同)
さらに議論を呼んでいるのが、ソフトバンクからFAで獲得した甲斐拓也の存在だ。坂本勇人と並ぶ球団トップタイの推定年俸3億円ながら、今季は二軍暮らし。同じく実績のあるベテラン・小林誠司と共に“飼い殺し”が際立つ格好となっている。
「球団にとって、甲斐をファームに置いている今の状況は、チーム編成の面で批判の的になりやすい。実際、OBの広澤克実氏は『三顧の礼で迎えながら二軍なら、最初から獲得せず現有戦力を育てるべきだった』と厳しく指摘しています。シーズン前には甲斐か岸田かの正捕手論争で持ちきりでしたが、山瀬の台頭によって、皮肉にも甲斐が一軍に上がる余地すらなくなってきています」
ネット上でも「岸田が打てなくなったから山瀬で固定すべき」「甲斐を何のために獲得したのか」「山瀬にはこのままレギュラーになって欲しい」との声が飛び交い、正捕手論争がファンの関心事になっているようだ。
「夏場にはベテランの甲斐の力も必要になってくる。 その場合、大城卓三との入れ替えが基本線ですが、それだと捕手全員が右打者になってしまう。 山瀬の成長いかんでは、一塁を守れて左の代打の切り札にもなる大城を残し、岸田が二軍というシナリオもありえます」(スポーツ紙デスク)
年俸1000万円の山瀬が正捕手の座を射止める“下剋上”への期待は高まるばかり。名捕手だった阿部監督の決断に注目が集まりそうだ。






















