観客の女性が見た光景

 大会当日は午前中にリハーサルを終えて、出番の約30分前にふたたび会場へと戻ってきたラウール。小学生ダンサー2人とともに、リラックスした様子で会場へと入っていった。彼らの出番は全30組中の25番目だったが、3人がステージに姿を現した瞬間、会場の空気は一変する。

「客席からはひときわ大きな拍手と歓声が沸き起こりました。熱狂的なファンだったのか、ラウールさんの名前を大声で叫ぶ方もいて、会場内は異様な興奮状態に包まれていましたね。肝心のパフォーマンスは完成度が高く、キレッキレのダンスを披露していましたよ」(観客の女性)

 約5分間の演技を終えると、ラウールは司会から渡されたマイクを手に取った。

「めちゃくちゃ楽しかったです! 大会のシステムもルールも、会場の雰囲気も含めて、ここまで頑張りたいと思える大会はなかなかないので、スタッフや審査員のみなさん、今日来てくださった方々に感謝したいです!」

 一礼すると、3人で健闘をたたえ合いながらステージを後にしたのだった。そして迎えた結果発表。張り詰めた空気の中、彼らがエントリーしたミニクルー部門の順位が読み上げられていく――。

「1位は…………Bumpy!」

 名前が呼ばれた瞬間、客席からは大きなどよめきと歓声が巻き起こった。ラウールのチームがふたたび頂点に立ち、世界大会への出場を決めたのだ。感想を求められた柚乃さんと帆夏さんは、

「めっちゃうれしいです!ありがとうございます!」と笑みを浮かべ、代表者としてスピーチを求められたラウールは、

「世界一を取りにいくのはもちろん、みんなでアメリカの表彰台を独占しましょう!」

 そう力強く宣言したのだった。8月にアメリカ・フェニックスで行われる本戦で、“世界一”という目標にどこまで迫れるのか。彼らの挑戦から目が離せない。