子どもや友人など良好な人間関係を構築

「新聞連載で人生相談をしていますが、『子どもが無職でブラブラしている』という相談が結構多い。これには、子どもを甘やかしているだけなので、『突き放して自立させなさい』と回答しています。子どもの賃金が安いため同居も仕方ないという悩みにも、『正社員の職に就くなり、転職するなり、とにかく独立させなさい』と言っています。厳しいようですが、親もずっと生きているわけではないので、子どもには子どもの人生を歩ませるしかないと思います

 反対に、子どもに経済的側面で頼っている親もいるだろう。その場合でも、山田教授は、もし年金だけで生活できないなら、働くべきという。「子どもに頼りすぎていると、家族関係にヒビが入ることもあります。子どもは子どもで将来の単身リスクを抱えているのです」

 単身リスクを軽減するためにもっとも大切なことは、「良好な人間関係の構築」と山田教授は強調する。

「夫婦の場合、伴侶が亡くなると話し相手がいなくなる。日常的に悩みを相談できる友人がいるのがベスト。趣味をつくるなど、積極的に地域コミュニティーに参加するのもいいと思います。子どもの存在にとらわれすぎず、親子でお互いが自立した生活を送ることが大事です」

 経済的、精神的な破綻を来さないよう、いまから単身リスクに備えよう。

単身リスクに備えるには

 知っておきたい2つのこと

●子どもに頼らず、頼らせない

 子どもに老後の面倒や介護を頼むという発想をやめる。その一方、無職や低収入の子どもとの同居、金銭的な支援をしない。安定した職に就いてもらい、自立してもらうことが鉄則。

●経済基盤を固める

 年金と貯蓄だけでどれくらい暮らしていけるか、事前にチェック。厳しいようなら、元気なうちは経験を生かせる仕事や高齢者向けの仕事をするなど、生活の維持を図るようにする。

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【写真】「人生100年時代」の落とし穴…“単身リスク”が高まる背景
山田昌弘先生 1957年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。中央大学文学部教授。専門は家族社会学。主な著書に『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会~「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』(共に筑摩書房)、『家族難民~中流と下流~二極化する日本人の老後』(朝日新聞出版)など、多数。
山田昌弘先生 1957年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。中央大学文学部教授。専門は家族社会学。主な著書に『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会~「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』(共に筑摩書房)、『家族難民~中流と下流~二極化する日本人の老後』(朝日新聞出版)など、多数。
教えてくれたのは…山田昌弘先生 1957年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。中央大学文学部教授。専門は家族社会学。主な著書に『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会~「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』(共に筑摩書房)、『家族難民~中流と下流~二極化する日本人の老後』(朝日新聞出版)など、多数。

取材・文/佐久間真弓