戦後の日本の自治体が社会教育に力を注げる余裕がまだ少ない1963年、創設者・森本慶三と息子の謙三が、津山の人々の教育のためにと私財を投じて作った同館。

私設博物館だからこそ生まれた価値

「今回写真集に収められている動物の剥製だけではなく、化石や鉱石、昆虫、貝類など、展示資料は多岐に渡ります。資料の多くはワシントン条約の締結や国内の鉱山閉山前に収集されたため、今では収集困難な資料も多く、これだけ多くの自然史資料を一度に見られる場所はそうないでしょう。

 公立ではないゆえに運営費の確保が難しく、設備や展示方法は今風ではありませんが、それがかえって懐かしさと新しさを呼び、来館者の皆様には“刺さる”ようで、帰り際、“どうかこのままで未来に残して欲しい”とお願いされることもしばしばです。公立の施設はどうしても時代の流れに逆らえず変わっていってしまいますが、変えられなかったからこそ、この昭和をそのまま閉じ込めたような博物館が残り、何物にも代えがたい価値が生まれました

写真集『ShapesofWonderつやま自然のふしぎ館全剥製』村松桂著(8800円)*つやま自然のふしぎ館公式サイトより
【写真】津山駅にあるB'zの巨大看板

 最後に記事や写真集で同館を知った人にこうアピールした。

珍しくて貴重な資料はたくさんありますが、この博物館の最大の魅力は個々の資料ではなく、それら全てが絡み合って出来上がる“時間(歴史)と空間”にあります。クラウドファンディングで村松桂氏も仰っている“唯一無二の博物館”を体感しに、ぜひいらしてください

 日本を代表するアーティスト・B’zや『M-1グランプリ』王者にも輝いたお笑いコンビ・ウエストランドの出身地でも知られる津山市だけに、聖地巡礼などで訪れた際はぜひ「つやま自然のふしぎ館」にも足を運んでみてはいかがだろうか?