大型力士はエコノミー2席分

 体格の大きい乗客が搭乗する場合、座席の問題も生じる。JAL広報によると、「一部エコノミークラスに着席されるお客さまについては、2席分の座席を確保いただく必要があり、このような調整については別途営業担当が行いました」という。

 続けて「今回のケースでは、着席位置の調整は⾏っておらず、標準的なお客さまの重量(標準旅客重量)を適⽤できないお客さまに対しては重量補正を⾏い、運航に必要なウエイト&バランス情報を作成しました」とのこと。 

「力士と航空機の重量問題といえば、2023年10月の『かごしま国体』での一件が記憶に新しいですね。奄美大島で開催される相撲競技に向かう選手らが羽田・大阪発の便に集中した結果、重量オーバーの恐れが生じ、JALが急きょ臨時便を出す事態となりました。当時は異例の対応と報道されましたが、機体の重量把握にいかに気を遣っているかがわかる事案でした」(スポーツ誌記者)

 JALはこういった過去事例をしっかり反映させ、今回の団体輸送や運⽤上の改善を行ったという。

「2023年の⼒⼠の皆さまの搭乗による臨時便対応を社内にて振り返りを実施し、標準的なお客さまの重量(標準旅客重量)を適⽤できないと想定される団体予約を受け付けた時点で、事前に⾶⾏機の重量や重⼼位置に制限が発⽣しないか、また機材や路線特性上制限が発⽣しやすい路線については、厳しい基準で事前に確認ができるフローを確⽴しました」(JAL広報)

 31年ぶりのパリ公演を前に、力士たちは約14時間のフライトを終えて無事に現地入りし《エコノミーの幕下力士、大丈夫だった?》《無事の到着……安心しました》《長旅疲れたかな?パリ楽しんで!》など、ファンからねぎらいの声が寄せられた。

 移動の裏側では、航空会社による緻密な重量・重心管理が行われていた。私たちが当たり前のように乗る飛行機の安全は、こうした地道な調整によって支えられている─。