顎髭を蓄えて“メジャー使用”になっていた小笠原慎之介投手(公式インスタグラムより)
顎髭を蓄えて“メジャー使用”になっていた小笠原慎之介投手(公式インスタグラムより)
【写真】めっちゃ笑顔から一転、逆転負けに悲壮感を漂わせる中日・井上監督

 小笠原がナショナルズと締結したのは2年総額350万ドル(約5億4300万円)の契約。結果として全することなく帰国したわけだが、現地でもナショナルズ側が“リリース”したとの報道はされていない。つまり“解雇”によって自由契約を言い渡されたのではなく、契約途中における巨人移籍だった可能性も出ている。

「つまり小笠原側が“契約破棄”を申し出たということです。一般的に複数年の大型契約を結んだ選手であれば、契約途中であっても自らFAを選択できる“オプトアウト”契約をつけるケースもありますが、2年契約の小笠原には通常考えにくい。

 マイナーに置いておきたかったナショナルズに契約破棄を求めた場合、相応の違約金を支払うか、もしくは残りの年俸を請け負う必要があります。おそらくは小笠原本人が代理人に泣きつき、移籍話を持ちかけられた巨人が食いついた、というのが移籍劇の真相ではないでしょうか」(同・ライター)

 なるほど、逆にナショナルズへの“金銭補償”を中日側が渋った、とも考えられるわけだ。6月18日(現地時間)にも、MLB公式サイトで興味深い記事が配信された。やはり、小笠原の中日復帰が実現しなかった背景に【ビジネス上の判断があった】としている。

金銭負担してまでとる選手ではない

 記事によると、ポスティングで中日側が受け取った譲渡金は70万ドル(約1億1200万円)で、契約途中で小笠原を呼び戻すには、最低でも残りシーズンの年俸分100万ドル(1億6000万円)を負担する必要がある。

 ともすれば中日にとって「赤字」なわけで、約5000万円を負担してまで小笠原を欲しがるかといえば「NO」と判断したということになる。

【シーズン後であれば、小笠原は移籍金ナシ。よりフラットな獲得競争の中で移籍先を選べた可能性がある。しかし、シーズン途中だった今回は、ナショナルズが金銭的負担を軽くできる相手を探すビジネスとしての取引を模索した。その条件を満たしたチームが巨人だった。】

 MLB公式サイトの記事でも、金銭を負担してまでも手を挙げたのが巨人だったとある。なるほど、小笠原が会見で口にした「(巨人の)熱意が熱かった」とは、ビジネス度外視でなりふり構わずに獲得に乗り出した「熱意」のことを言っていたのかもしれない。

「昔のよしみで、勝負を生ぬるい感じでやりますって選手もいるわけない」

 小笠原の巨人入団を聞いた井上監督。“中途半端で帰ってきた元ドラゴンズ選手”に、今一度勝負のきびしさを教えることができるのだろうか。