大学院で学生として「祭り」を研究中
一方、音楽活動とはまったく別枠で、45歳のときには國學院大學に入学し、神道や民俗学を学び始めた。
「私は高校を中退して上京したので、『いつかは高校を卒業した証しが欲しい』とずっと思っていました。子どもたちが受験勉強を始めたときに、このタイミングで自分も一緒に勉強しようと思いつき、高卒認定試験のための勉強を開始したんです。ちょうどそのころ、國學院大學の社会人向け講座に通っていて、神道の話がすごく面白かったので、大学入学も目指すようになりました」
祖父が地元の神社の氏子で、小さいころから民俗学に興味があったという相川。今は大学院に進み、「祭りの組織の継承」を研究している。
「人口減少が進む中で、伝統的な祭りをどう守り、ピンチを切り抜けるか。その解決策を模索しています。祭りという言葉には、神事から市民祭り、盆踊りまで多様な意味がありますが、人が集まるという意味では、私たちがやっているコンサートやフェスも祭りの一つ。なぜ人は集まるのか、日本人はなぜ祭りが好きなのか。その根底を探っていくと、音楽と非常に近い構造が見えてきたんです」
祭りもコンサートも「求心力」が鍵となる。
「昔の村では、1年の労働のつらさを忘れるために『ハレの日』をつくり、神社などのシンボリックな場所を拠点に、神様を求心力にして人々が集まりました。年齢を横断し、その日ばかりは無礼講。神社はいわば人の集まる場所として機能していました。対して現代のライブも、演者が求心力となって遠くから人を集める。持ち上げている対象が違うだけで、集団のモチベーションのあり方や構造は同じなのではないかと」
音楽と学業、子育てを同時に進める日々は決して楽ではないが、今が踏ん張りどきだ。
「今は修士論文で燃え尽きて、やる気が起きなかったり、苦しいと思うこともあります。でも、今のうちに頑張っておけば、60代、70代になったときにとても楽しくなるはず。体力が衰えてライブができなくなっても、論文は書けますから(笑)。今は未来への投資だと思ってマイペースに頑張っています」
以前は大学の課題のために睡眠を削ることもあったが、現在はルーティンを徹底し、健康管理をしている。
「50歳を過ぎて体力の衰えを感じ、睡眠も『仕事』のうちと思うようになりました。12時までには布団に入り、携帯は持ち込まない。食事や運動もメニュー化して、自分の年齢と仲良くすることを心がけています。年齢的にもしんどいなと思うこともありますが、運動で解消したり、前向きに捉えています」


















