目次
Page 1
ー 災害を左右するのは日頃の備え
Page 2
ー 自分の住む地域のことを知る
Page 3
ー 家の中を整えて安全地帯を作る
Page 4
ー 最新の防災情報をチェック
Page 5
ー 早めの備えで被害を減らす

 

 7月に起きた熊本地震や、各地で続く災害のニュースを見て、改めて防災について考えた人も多いのではないだろうか。とはいえ、「何から始めればいいかわからない」「専用の防災グッズをそろえるのは大変」と、つい後回しにしてしまいがち。

 でも、命を守るために必要なのは、特別な準備ばかりではない。日頃の暮らしを少し見直し、できることから始めることが、いざというときの備えになる。災害対策のプロに、今すぐできる防災アクションを聞いた。

災害を左右するのは日頃の備え

「熊本地震の発生後、現地の避難サポートに向かったのですが、日頃から防災の準備をしていたか否かが、地震後の生活の明暗を分けていると強く感じました」

 と話すのは、国際災害レスキューナースとして被災地で活動する辻直美さん。

「被害の状況をニュースで見て対策をしなくてはと思ったものの、何から手をつけたらいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。実際、防災を後回しにする人は50%近いという調査結果もあります。でも、防災の目的は『被災しないための準備』ではなく、『被災したときに1日も早く日常に戻るため、復興のための準備』なのです」(辻さん、以下同)

 備えが進まない原因として「お金や手間がかかる」「具体的に何をどのくらい用意したらいいのかわからない」というものが多い。だが辻さんは、特別な防災グッズを買う必要はなく、日常生活を整えることが防災につながると話す。

 辻さん自身も、大阪のマンションに住んでいたときに大阪府北部地震を体験。震度6の大地震だったにもかかわらず、辻さん宅では床に落下したり壊れたりした物はなく、被害はなかった。しかし、隣家では家具が倒れ、多くの物が落下し、骨折するという惨事に。

「同じ間取り、同じ強度の家でも、備え次第でここまで状況が変わります。隣家の台所は割れた食品や調味料が床に散乱。すぐに片づけることができず、そのうちにコバエが発生する不衛生な状態に。家の復旧費用に60万円かかったそうです」

 両家の違いは、日頃から防災を意識した家づくりをしていたかどうか。

「家の中を防災専用グッズだらけにしなくても、普段から物を減らしたり、家具の配置を防災目線で考えていれば、逃げやすく被害が少ない家になります」