早めの備えで被害を減らす

 台風や大雨が原因で、川が氾濫して起こる水害。

「恐ろしい災害ですが、自治体や気象庁が発表する警戒レベルを確認すれば、数日前から予測ができ、備えることも可能です」(辻さん、以下同)

 気をつけたいのが、家の近くを流れる川の水位。急に上がることがあるので、警戒レベルが3になったら高齢者がいる場合は避難を始め、レベル4になったら全員がすぐに避難をする。レベル5になると、すでに避難は難しいので、できるだけ高い場所に逃げる。

「避難するかどうか、決断することが大切です。避難をするかどうか迷っていたら、一気に水が押し寄せてきて、2階まで浸水したという人がいます。水害は、水の勢いが強く急激に浸水するので、早めの避難が第一です」

水害の心得

・国土交通省や各自治体の「ハザードマップ」を見て、災害の3日くらい前からどんな行動をするかという「マイ・タイムライン(防災行動計画)」を作成し、家族で共有しておく。

・備蓄を確認。地震同様、特別なものを買う必要はない。

・家の出入り口や排水口からの浸水を防ぐために、土のうや水のうを用意。

・浸水に備えて、濡らしたくない家財道具などは、家の中の高い場所に移す。

・防災リュック内の水濡れ防止対策をする。リュックの内側にゴミ袋を広げ、その中に種類ごとにチャック付きポリ袋で密封した持ち物を入れると安心。

・避難時は貴重品を肌身離さず持つ。災害時はマイナンバーカードさえあれば、キャッシュカードや預金通帳がなくても本人確認のみで出金できる。

・水位は急激に上がるため、忘れ物をしても取りに戻らない。

・避難時は長靴ではなくスニーカーを履く。傘で水の中を突いて安全を確認しながら歩く。

・避難は徒歩で行う。車は、渋滞や水位の急上昇で流されることがあるので避ける。

取材・文/松澤ゆかり 写真提供/『最強版プチプラ防災』(扶桑社)

レスキューナース辻直美さん
国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。看護師歴35年、災害レスキューナース歴31年。国内外30か所以上の被災現場で活動するほか、防災教育にも尽力している。近著に『最強版プチプラ防災』(扶桑社)