節約だけで毎月5万円を削ろうとすると、生活への負担が大きくなり、長続きしづらい。逆に、収入が増えても、その分を使ってしまえば、貯蓄にはつながらない。収入と支出の両方から少しずつ改善することで、無理なく続けやすくなるという。
収入を増やす方法についても検討を
「支出を減らす際には、固定費から見直すことをおすすめしています。保険料やスマホ代、サブスクなどの固定費は、一度見直せばそのあとも継続的に支出を抑えられるので、非常に効果的です」
一方、食費や洋服代などの変動費は、あらかじめ予算を決めて管理することで、衝動買いなどが防ぎやすくなる。
「同時に、ご家庭の状況に合わせて、収入を増やす方法についても検討したいところ。パートや副業など、無理なくできる働き方を探すことが大切です」
こうして「貯蓄できる家計」に体制を整えることができたら、次のステップとなる資産運用を考えたい。
資産運用というと、「できるだけ大きく増やしたい」と考えがちだ。しかし、関口さんが重視するのは、短期間で利益を狙うことではない。手元の資産をできるだけ長く使えるようにすることだ。
「投資信託やインデックスファンドを使った長期・積み立て投資をすすめています。5年、10年と時間をかけてコツコツ積み立てながら運用することで、短期的な価格変動の影響を抑えていくやり方です」
「今さら、長期運用を始めても遅いのでは?」と考える人もいるかもしれないが、70代であっても、この先20年、30年も生きる可能性を考えれば、その意味は十分にあるという。
「大切なのは、無理のない範囲の金額で続けることです。将来のためにと、今の生活が苦しくなるほどの金額を投資に回すのは本末転倒。バランスが第一となります」
また、生活費の7.5か月分を目安に、必要なときにすぐに用意できる状態で貯金しておきたい。
「すべてのお金を投資に回してしまうと、急な出費に対応できません。現金が必要になったときに相場が下落していれば、損失を抱えたまま売らなければならない可能性もあります」
おふたりさまならではのメリットを生かせるのが、夫婦それぞれの年金の受け取り方の工夫だ。
年金は受給開始を繰り下げることで、受け取る金額を増やすことができる。繰り下げは75歳まで可能で、1か月繰り下げるごとに0.7%増額される仕組みになっている。
「夫婦同時に年金を受け取り始める必要はありません。例えば、余裕のあるうちは、妻の年金受給は繰り下げて、その分、将来の受給額を増やすといった方法も可能です」



















