『カフネ』登場人物の気になるその後は?
私生活では2歳児の子育てに追われる母でもある。書く時間はどうやってキープしているのだろうか。
「いや〜、キープはできていないです(笑)。子どもが風邪をひいちゃったら書けないですし、すきま時間を見てなんとかやっている感じです」
やはり家族が第一優先?
「そうですね。優先しないという選択肢はないので。もう自分は投げ出すことのできないものを持っているんだなって、しみじみ思います。自分ひとりのことだけをやっていたらよかったときって、すごい自由だったんだなって。
ただ不思議なことに、自由だったらいっぱい書いていたのかって言われるとそうでもない(笑)。今のほうがすきま時間に必死に書こうとしていますね」
執筆はなかなかゴールが見えない孤独な作業? そう水を向けると、意外な答えが返ってきた。
「孤独ではないです。たぶん自分の中に何人も書きたいキャラクターがいるから。それは自分の分身でもありますが、自分のエゴが入りすぎてもいけない不可思議な存在。自分の中から出てきたものから一生懸命自分の匂いを消そうとする作業が書くっていうことで、たぶんその作業が好きなんだと思います。
いつも“いつ終わるんだろう”って思いながら書いているんですが、やっぱり地道に1行1行書いていると、いつかは終わりがくるんですよね。その終わりを書いたときが無上の喜びみたいなところがあります。そこから鬼の編集さんの直しが入ったりするんですけど(笑)」
不断の努力を重ねて「0」から「1」を生み出しつつ、編集者との共同作業も大切にしているようだ。
「やっぱり自分の考えしかそこにないっていうのはすごく怖いことなので。第三者の人がフェアな意見をくれるっていうのはありがたいです」
今待たれているのは、やはり『カフネ』の続編だろう。不器用だが魅力あふれる登場人物たちの新たな物語を読みたい。
「鋭意執筆中です(笑)。頑張ります」
映画『どこよりも遠い場所にいる君へ』
10月9日(金)公開 配給:松竹
監督/和田純一 脚本/桑村さや香
キャラクターデザイン・総作画監督/へちま(C)︎阿部暁子/集英社・『どこよりも遠い場所にいる君へ』製作委員会
<取材・文/川合文哉>


















