ホルモン補充療法は、LDL(悪玉)コレステロールを低下させて動脈硬化を防いだり、骨密度を保って骨折リスクを減らしたりするなど、慢性疾患の予防効果も期待されている。禁忌に当てはまらなければ、前向きに検討したい治療法の一つだ。

 治療を始める際は、医師からメリットとデメリットの説明を受けた上で選択しよう。

ホルモン補充療法ができないケース

 一例として乳がんのある人は、エストロゲンの作用でがん細胞が増殖するため、ホルモン補充療法は受けられない。禁忌(ホルモン補充療法を受けられない)のケースを医師に確認しよう。

ホルモン補充療法ができないケース イラスト/岡本典子
ホルモン補充療法ができないケース イラスト/岡本典子
【写真】約1.9億円! 更年期症状による国の経済的損失が凄すぎる

 ホルモン補充療法の費用は保険適用の場合、1か月3000円程度。ただし、ホルモン補充療法を行うにあたり、乳がん検診、子宮体がん・子宮頸がん検診、血液検査などを行うのが一般的なため、別途検査代がかかる。

新常識8 漢方薬 

 複数の生薬を組み合わせた漢方薬も選択肢に漢方薬は、植物や動物、鉱物などの生薬を、東洋医学の考え方に基づいて2種類以上組み合わせた薬だ。

 更年期の不調は、さまざまな要因が複雑に絡み合って現れることが多く、通常の検査では異常が見つかりにくいこともある。

 そのため、複数の生薬の力で心身のバランスを整え、不調全体に働きかける漢方薬は、一人ひとりの症状が異なる更年期症状の改善に役立つことがある。

 また、乳がんや脳卒中などの既往歴があり、ホルモン補充療法ができない場合や、患者自身が希望しない場合にも、治療の大切な選択肢となる。

新常識9 カウンセリング・認知行動療法

専門家によるカウンセリングでゆらぐ心を整える

 更年期は、女性を取り巻く環境が変わりやすく、一人では解決できない悩みや問題が重なりやすい時期だ。カウンセリングは、そうした悩みにどう向き合えばいいかを、専門的な知識を持つ医師や臨床心理士、公認心理師との対話を通じて見つけていく方法だ。