「チャン・グンソクさんのイメージがあまりに強すぎた。韓国の俳優の魅力は、顔はきれいだけど骨格はしっかりしていて、大人の男性の色気も感じさせるところ。けれど日本のアイドルは線が細く少年っぽさが前面に出る。本家を知る人からすれば、幼い印象になってしまった」

説得力を持って演じられる人が少ない

 1位は『六本木クラス』('22年・テレビ朝日系)。

「韓国とは根底的なカルチャーが違うため違和感だらけだった」(東京都・52歳・男性)、「韓国版はあんなに面白かったのに日本版はチープ」(大阪府・59歳・男性)、「オリジナルに比べると疾走感や高揚感がなかった」(静岡県・57歳・女性)と票を集めた。
 

「梨泰院はかつて近隣に米軍基地があり、多彩な国籍や文化的背景を持つ人が集まる場所。六本木が舞台となると、そうした文化的な背景に結びつきにくい。巨大企業の社長に対する復讐劇が描かれるけれど、日本版は予算が足りず、チープになりました」

 人気韓国ドラマ『梨泰院クラス』を竹内涼真主演でリメイク。舞台を梨泰院から六本木に置き換えた。

「物語の骨格やキャラクター、印象的な場面など、かなり本家を忠実に踏襲しています。ただ同じように再現するだけならモノマネになってしまう。そうすると本家には勝てない。舞台を日本に移したことで日本特有の社会問題が見えてきたり、日本の俳優が演じることでキャラクターに新しい魅力が生まれたりと、リメイクした意義が何かしら必要でした」

 本家がいくらヒット作でも、日本版が人気を集めるとは限らない。韓国ドラマのリメイクで、残念な結果を生む要素は何だろう。

「韓国本家のスター性やカリスマ性を再現できる日本人キャストがいるかどうか。同年代でも、日本の俳優はどうしても幼い雰囲気がある。韓国ドラマに登場する、天才やエリートといった役柄を説得力を持って演じられる人が少ない。そこが難しい」

 注目の『南田南弁護士は天才肌』は芦田愛菜が主演。自閉スペクトラム症の新人弁護士の奮闘を描く。

「愛菜ちゃんは好感度も演技力も高く、安心感がある。問題は、話がどうか。オリジナルは障害への向き合い方も丁寧で、社会問題も深掘りしてる。けれど日本の場合軽くエンタメにしがちなところがあるので、そこは心配な部分」

 その心配は、はたして杞憂に終わるのか─。

取材・文/小野寺悦子

苫とり子 ドラマ・映画・音楽・漫画・舞台とエンタメ全域のフリーライター。リアルサウンド、WEBザテレビジョン、映画チャンネルなどにエンタメコラムを寄稿中