目次
Page 1
ー 作家・宇野千代の人生
Page 2
ー 熱愛をとがめられ突然クビに
Page 3
ー 恋のスイッチが入る千代 ー 自らの恋愛遍歴がベストセラーに

 幾度となく恋愛を重ね、四度の結婚と離婚を経験した作家・宇野千代。同じ女性として「節操がなさすぎる」と眉をひそめる読者もいるかもしれない。

作家・宇野千代の人生

NHK連続テレビ小説『ブラッサム』ヒロイン・葉野珠のモデル・宇野千代(世田谷文学館提供)
NHK連続テレビ小説『ブラッサム』ヒロイン・葉野珠のモデル・宇野千代(世田谷文学館提供)

「世間的には、男性に惚れやすく恋多き女というイメージがあるのでしょう。でも彼女の人生をたどると、決してそうではないことがわかるはずです」

 こう話すのは、宇野千代旧蔵の多数の資料を管理する、世田谷文学館の学芸員・原辰吉さん。

 9月28日から放送が始まったNHKの朝ドラ『ブラッサム』は、すでに第4週。史実はドラマとほぼ同じで、千代は父の命により、いとこの藤村亮一のもとへ嫁入り。だが亮一には色街に懇意の女性がいた。千代はわずか10日(ドラマでは3日)で家を飛び出し、そのまま離縁。明治44年、千代が14歳のときのことだった。

 この2年後に、千代が《奇人乃至狂人》と評した放蕩者の父が病没。父親は生前、子どもたちを気まぐれなしつけで支配し、千代に本や新聞を読むことを厳しく禁じた。文学好きの千代は、父から解放されたあと、その情熱を一気に高ぶらせていく。

 では千代はこのあと、どんな男たちと恋に落ちていくのか。ドラマの予習も兼ね、その波乱に富んだ恋の軌跡を現在、世田谷文学館で開催中の「没後30年 宇野千代展」の展示を参考にしながらたどってみたい。