侍役が多いので、寡黙でストイックなイメージがあるが、本人は「真逆です」と苦笑。

「武士みたいな生き方をしてるんじゃないかと勘違いされるんですけど、結構ふわふわしてます(笑)。すっごいしゃべりますし。難しい話は無理だけど、くだらない話は大好き」

“ジジイもいるぜ”という気持ちで(笑)

 そんな彼が今、全身全霊を傾けているのが、11月14日から上演される劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人 LAST STAND』。再演をほとんど行うことのない劇団☆新感線が、'90年の初演以来7年ごとに繰り返し再演を重ねてきた大人気作品だ。

山口馬木也 撮影/伊藤和幸 ヘアメイク/伊達美紀 スタイリング/遠藤リカ
山口馬木也 撮影/伊藤和幸 ヘアメイク/伊達美紀 スタイリング/遠藤リカ
【写真】めちゃ美味しそう! SNSで大好評の「馬木也めし」

 

 織田信長亡き後の関東を舞台に、天下転覆を図る関東髑髏党の党首・天魔王(早乙女友貴)と、阻止しようと対決する捨之介(早乙女太一)。アクションありロマンあり笑いありの、誰もが楽しめる壮大なチャンバラアクション時代劇。22年前、古田新太が主演時に観劇した山口は、「いつか自分も」と渇望していた。

「自分の細胞のすべてが面白いと言っているような感覚というか。舞台を見て声を出して笑ったのは、このときが初めてでした。小さいころ木下大サーカスを見たとき以来の衝撃。“どこかでご縁がないものか”とずっと恋焦がれていたんです」

 劇団☆新感線への参加は'18年の『メタルマクベス』disc1以来2作目。実は今作への出演が決まる前、山口が稽古をしていたスタジオの別部屋で同劇団も偶然、稽古をしていて、カップ麺を差し入れしたという。

「なので、出演が決まったときは“やった! 差し入れしておいてよかった~!”と思いました(笑)」

 山口が演じる狸穴二郎衛門は、主人公・捨之介(早乙女太一)に助太刀をする牢人。役作りについて尋ねると、「役の構築はせず、演出のいのうえ(ひでのり)さんの型に自分をはめていく」と。

「公演名に“いのうえ歌舞伎”とあるくらい、いのうえさんには型がある。その型にどう自分をはめ込めるか、いかに浄瑠璃の人形のように操られるかに、チャレンジしたいなと思っています」

 また、再演のたびに演じ手に合わせて脚本を少しずつ変える中島かずき氏から、「これは僕に当てたものだな、というラブレターをいただいた」と思ったそう。

「これまでの狸穴二郎衛門は戦う役ではなかったんですが、今回は“ここで立ち回り”と書いてあったんです。22年前は自分には無理かもと思った立ち回りですが、覚悟は決まってます!」

 稽古初日には「やっぱり新感線はしんどいな」と感じたが、それ以上に「戻ってこられて本当にうれしかった」と振り返る。稽古2か月、本番は4か月にわたる長丁場に備え、半年前からパーソナルジムに初めて通い始めた。

「トレーナーが優秀なんです。僕のアクションを見て、この筋肉を連動させれば美しく見えるとか、身体を痛めないように、詳しく指導してくれて」

 20年以上やってきている立ち回り。現在53歳だが、このパーソナルトレーニングを受ける前は、若いころにできていたイメージのまま動くものの、身体がついていかず、半分諦めていた。

「これからは年相応にシフトチェンジしないといけないのかと思っていたけれど、筋肉の連動性さえ上がれば、何歳になってもいけるかなという気持ちになれました」

 以前は腰痛持ちでマッサージにもよく通っていたが、今はまったくナシ。“身体が資本”という言葉に深く納得する毎日だ。

「若い共演者のエネルギーに負けないように、“ジジイもいるぜ”という気持ちで(笑)。元気に動けるところを見てほしいなと思ってます」