22年間の記録を更新

 吉沢亮が主演を務め、横浜流星、渡辺謙らが出演した本作は、2025年6月6日に公開。吉田修一氏の同名小説を原作に、歌舞伎の世界で芸を極めようとする男の50年にわたる人生を描いた作品だ。

 配給元の東宝が2026年2月16日に発表したところによると、公開255日間で観客動員数1415万2409人、興行収入200億851万9000円を記録。実写邦画として初めて興収200億円を突破する快挙を成し遂げた。

「『国宝』のすごさは、200億円という数字だけではありません。実は、その道のりも異例なんです」

 そう話すのは、ある映画ライター。

映画『国宝』は平日昼間でも客入りが好調(6月10日12時の回のTOHOシネマ渋谷)
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「2025年11月には、2003年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』が約22年間守ってきた興収173億5000万円の記録を更新。実写邦画の歴代1位に躍り出ると、そこからさらに数字を伸ばし、200億円の大台に到達しました」

 アニメーション映画や洋画も含めた国内の歴代興収ランキングでも、2026年2月時点で『ハウルの動く城』の196億円を上回り、現在は8位にランクインをしている。文字通り、実写映画の枠を超えたヒットとなった。

「歌舞伎という伝統芸能を題材にした175分の大作が、これほど多くの観客を惹きつけたこと自体、注目に値します。俳優たちが体現する伝統芸能の厳しさや、そこに人生を懸ける人間のドラマが、歌舞伎に詳しくない人にも届いたのでしょう。

 口コミで評判が広がり、公開から時間がたっても観客を集め続けたことが、記録的な興行成績につながったのではないでしょうか」(前出、映画ライター)

 大ヒット作が生まれれば、映画館に足を運ぶ観客が増える一方、同じ時期に公開される作品にとっては、比較される対象にもなる。二宮の「早くいなくなってくれないかな」という言葉には、同業者だからこそ感じる率直な思いが滲んでいた。