スケールは大きくなり世界へ
『国宝』の快進撃は、国内の興行成績だけにとどまらない。2025年12月には、ハリウッドスターのトム・クルーズが米ロサンゼルスで特別上映会を主催。上映前のスピーチで「本当に並外れた作品」「大スクリーンで観るべき、非常に特別な映画」と称賛した。
2026年3月に発表された第98回アカデミー賞では、日本映画として初めてメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネート。受賞こそ逃したものの、歌舞伎の女形を演じるための白塗りやかつらなど、専門的な技術も国際的に評価された。
「『国宝』の強みは、歌舞伎という日本独自の題材を扱いながら、役者の人生や芸に懸ける執念といった普遍的なテーマを、映像と演技力で見せ切ったところにあると思います。
興行収入の記録更新に加え、海外の著名人からの評価やアカデミー賞ノミネートまで実現したことで、国内のブームにとどまらない作品として認識されるようになり、同業者もその存在を意識せざるを得なかったのだと思います」(前出、映画ライター)
同じ年に作品を公開した映画人たちが、思わずうんざりするほどの存在感。それは裏を返せば、『国宝』が日本映画の歴史を塗り替え、映画界に大きなインパクトを残したことの証しなのかもしれない。


















