登場するのは過去に“心がポキッと”折れたり、今まさに折れようとしている大人の男女4人を阿部サダヲ、水原希子、藤木直人、山口智子が熱演。
それぞれがダメでやっかいキャラなのに、彼らが四角関係を繰り広げているが、軽妙なかけ合いで、クスクス笑えてしまう。
「笑いで包んでいますが、根底では人間のエゴや業、男女の性をリアルに描いているので、身に覚えのある人は“イタタタ”と思うかもしれませんね(笑い)」(森安彩プロデューサー)
悩みを抱えながらも人生、そして恋に直面する4人。“(本当に)一緒に暮らしていけそう〟の阿部の感想どおり現場の雰囲気は良好。
「当初から空気感が合っていました。向かう方向にブレがないからこその一体感だと思います」(森安プロデューサー)
4人の会話劇が大きな見どころ。キャストは膨大なセリフと日々戦っているが、実はそれだけではない。連ドラでは珍しく、長いシーンを一気に撮るので、ひとつのミスも許されない。
「誰かの長ゼリフの後の自分のセリフもミスができないので、プレッシャーだと思います。みんなで最高のものを目指さなければならないんです。スタッフも含め、全員が気合を入れて臨んでいます」(森安プロデューサー)
入念なリハーサルで気持ちを作り、集中力を高めて本番スタート。OKの声には、全員が大喜びだ。序盤に長ゼリフが多かった山口と水原は、抱き合って喜んだという。撮り直しがほぼない驚異的な撮影で、快調に撮り進んでいる。
画面には出ないが、
春太「…………(何だかいろいろつらくて壊れそう)」
といったふうに、ト書きがユニークなのも特徴。無言の演技にも、キャラがつまっているわけ。
「“ゲソゲソで歩いてくる”というト書きがあって、思わず辞書で調べました。ゲソゲソという言葉はなかったんですが、すごく伝わってくるのが面白いでしょう?」(森安プロデューサー)
劇中の静(山口智子)と同世代という森安プロデューサーは言う。
「20~30代は自分をよく見せたい、完璧でいようとする時間が長いと思います。その年代を超えたら、ダメなところも自分の個性と考えて愛せるようになればいいのではないでしょうか。本作を見て、多少ダメでもいいんだと、ご自分の弱いところを笑い飛ばしていただけたらうれしいです」