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伊方原発(愛媛)は7月下旬にも再稼働の見通し

 なぜ、熊本地震のニュースで、周辺の原発への影響についてもっと詳しく報じないのか。東日本大震災から私たちが学んだのは、原発が重大被害を受けたら取り返しがつかなくなるということ。

 原発稼働は原則40年で、古い原発ほど危ないという。老朽化以外で問題の原発はないのか。さくら共同法律事務所の甫守一樹弁護士はこう語る。

「島根原発は鳥取県西部地震が頻発した地域で、長い活断層が発見されました。発生頻度でいえば、東海第二原発は政府の地震動予測地図などの中では浜岡原発並みに危険度が高いところに位置します。古いのも懸念点ですし、ここがやられると首都圏壊滅もありうるのが怖い」

 東海原発も廃炉作業は終わっていない。

「女川原発付近はM9クラスの地震がまた起こってもおかしくないとされています。東通原発は廃炉にする可能性もあるようですが、周辺の火山が活性化しているともいわれています。

 核燃料関係の施設も多いので、事故時の被害は大きくなりそうです。青森の大間原発は、まだできていませんが、世界で初めてプルトニウム入りの核燃料だけを燃やして発電しようとしています。

 泊原発も敷地内に活断層があるといいます。洞爺カルデラの火砕流が敷地近くに80センチほど堆積しており、火山噴火による被害も考えられます」(甫守弁護士)

 そもそも原発は、各施設周辺で起こりうる最大級の地震の揺れに基づき耐震設計されている。川内原発の想定は620ガル。ガルとは揺れの勢いを示す最大加速度の単位だ。基準は甘くないのか。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授(地球物理学)は言う。

「多くの原発は500~600ガルを想定しています。それ以上は想定していない。というか費用がかさんで難しいというのが現状でしょう。しかし熊本地震でも1580ガルを記録しました。

 重力は980ガル。ガルの値がこれより大きければ、岩でもなんでも飛び上がるということです。岩手・宮城内陸地震では4022ガルを記録しています。柏崎刈羽原発の地震計は1000ガル以上を記録したことがあります。

 原発で使うパイプなどには継ぎ目がたくさんありますから、ひとつでもはずれたら大騒ぎになります」

 新規制基準が設けられて以降、電力各社が原子力規制委員会に審査申請した16原発のうち、11原発で、事故時の対策拠点となる施設を免震にせず、当初の方針より規模を小さくしようとしているという。

「離れたところから操作できる免震棟は重要です。しかし免震棟整備が当初の計画どおりに終わったのは柏崎刈羽原発や島根原発ぐらい。川内原発は申請時には作るといっておきながら計画を撤回しました」(さくら共同法律事務所・河合弘之弁護士)