「納め札は1枚残るはず」と言われていたのに

胎内くぐりの奥にある弘法大師の座像。結願のあとで参る高野山の奥之院にあたる場所
胎内くぐりの奥にある弘法大師の座像。結願のあとで参る高野山の奥之院にあたる場所
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 ここまで来たらもうひと息。88番の大窪寺に到着。境内をくまなく歩き、ここまでに1時間ほどかかった。

 なお、88番の近くにある弘法大師修行像の下には、88か所全部の土砂が敷いてあり、蓮華台に乗って礼拝すると全部参ったことになるという。しかし、自分の足で境内を回るほうが、自然にも親しめて楽しいことは間違いない。

「納め札は最後に1枚残るはずです」と言われていたのに、どこで間違えたか全部なくなってしまった。寺務所でもう1枚発行していただき、住職の案内で本堂へ。本尊の前で経を唱え、地下へと誘われる。ここからは胎内回りだ。

 階段を下りるといきなり真っ暗に。「左の壁をつたって歩いてください」という声に従いしばらく進むと、薄明かりが見える。奥に座する弘法大師様に燈明を上げ、お参りをする。

「これで結願(けちがん)です」と、結願の証(希望者に1000円で発行)とお守りをいただいた。

 帰ろうとしたら、このコースを反対に回るのを「逆打ち」といい、

「今年は閏(うるう)年の申(さる)年で、逆打ちすると倍のご利益があると言われているんですが、どうですか?」

 と、住職に誘われる。すいません、今日はその体力はもうないです……。

 東京から2時間以内で行けて、四国八十八か所を巡礼した気分になれる大聖寺のミニ霊場。

 秋の1日、あなたも参ってみては?