お見合い市場にいる奇人変人、珍プレー

 安い婚活パーティーや婚活アプリで騙されたり、いい出会いがなかったりした女性たちが、最終的に行き着くのが結婚相談所だ。登録や活動費が高額(20万〜100万円)で、結婚したら成婚料も取られるのだが、入会にあたって独身証明書、最終学歴証明書、国家資格者はその証明書、収入証明書(男性のみ)の提出が義務づけられているため身元にうそ偽りがない。

 相談所によっては、ハイスペックな男性の入会を掲げているところもある。仲人や担当カウンセラーが世話を焼いてくれるので、親が息子を登録したり、女性慣れしていない男性が“最後の砦”として入会していたりすることもある。

 現在、大手相談所に入会している里美さん(仮名・37)は言う。

「写真が素敵で年収の高い人には、申し込んでもなかなかOKがもらえないんです。これまで36回お見合いをしましたが、ピンとくる人はひとりもいなかった。食事を1、2回して終わってしまった人がほとんどです。私もいい年だし、自分のことを棚に上げて言うのもなんですが、変わった方が多かったです(苦笑)」

 ある男性(47)と最初のデートをしたときのことだ。

「居酒屋でご飯を食べたら割り勘でした。お店を出たら“お茶しますか? ごちそうします”って言うんです。どこに連れて行かれたと思います? 自動販売機の前ですよ。温かい缶コーヒーを買ってくださいました。真冬だったし、120円出していただけるならマクドナルドに行きたかった」

 ほかにも、お見合い中に視線がチラチラ泳ぎっぱなしだった人。会話が一問一答形式で話がふくらまず1時間のお見合いが苦痛だった人。貧乏ゆすりが止まらなかった人。開口一番「僕は持ち家なんで、船橋に嫁に来れますか」と聞いてきた人。いきなり保険証券と預金通帳を見せてきた人……。

「そういう方たちに共通していたのが、待ち合わせの場所にすでに来ていて、こちらをチラチラ見ているのに自分からは声をかけてこないんです。こっちが“〇〇さんですか?”と話しかけるのを待っている。みなさん、女性に声をかけた経験がないのでできないんでしょうね、きっと」