番組パロディーと“好き避け”恋愛

『情熱大陸』『ニュース23』などの人気番組をパロディーにしたシーンは、妄想好きなみくりの頭の中を表現したもの。毎回、登場し見どころのひとつだ。

「番組パロディーは原作にもあるので、そのテイストを生かしました。この先もユニークな妄想が続々と登場しますよ!」

 みくりと平匡のモノローグが多い中で物語が展開していくのも特徴。

「ふたりの心の変化、気持ちのすれ違いをいちばんよくわかっているのは、視聴者のみなさんです。たとえて言うなら、カゴの中のハムスターとリスがじゃれたりケンカしたりするのを、上から俯瞰して見ているイメージです(笑)。愛でる気持ちでご覧ください。

 僕らは“好き避け”と言っています。好き同士なのに避けてしまう、みくりと平匡にもどかしくなったり、ムズムズ、キュンキュンして見ていただければ。ドラマ後半では、アラフィフ・百合ちゃん(石田ゆり子)の恋が見どころになります」

みくりが大好きな叔母の百合の心境の変化にも注目したい (c)TBS
みくりが大好きな叔母の百合の心境の変化にも注目したい (c)TBS
すべての写真を見る

 番組タイトルの『逃げるは恥だが役に立つ』とは、ハンガリーのことわざ。

「ネガティブに見えても逃げることは必要、自分の戦う場所を選べ、といった解釈がされています。みくりの契約結婚は就活からの逃げかもしれないけど、そうとも限らない。後ろ向きの選択に見えて、生きるためには必要なこと。いずれにしても人生に“逃げる”という選択肢があると、ちょっと気が楽になりますよね。

 とはいえ、“私の本当の居場所探し”のような、説教くさい内容にはしていません。コンセプトは、見終わった後にふっと肩の力が抜けて“明日からも頑張ろう”と思えるものです。小さな悩みを抱えつつも、今いる場所で前向きに生きている登場人物たちの姿に共感したり、誰かに必要とされていることを感じてもらえたら、うれしいです」