ゲイの所作には“丁寧さ”が重要

映画『怒り』のロケ地となった『GACHI』では多くのゲイが舌鼓。タレントも訪れているそう

 妻夫木聡と綾野剛の撮影でも使用されたつけ麺店『GACHI』を運営する株式会社麺庄の代表取締役、庄野智治さんも、“所作やコミュニケーションにデリカシーがある”と指摘する。

「女性の方は、食べた後のラーメンの器をそのままにしてしまうことが多いです。しかし、ゲイの方は丼を重ねて、周りをふいたティッシュを丼の中に入れて、片づけやすいようにしてくれますね」

 ほかにも時間がたって結露したグラスをこまめにぬぐったり、何かにつけて片手を添えるなど、丁寧さが重要。二丁目で働いたことがある人は、これらのことを先輩ママにビシバシ鍛えられるのだという。

「昔のお店では、お客さんのいる前で怒鳴られたり、灰皿を投げられたりなんてことも。厳しいママのお店だと、ママはお客さんの卓について接客していますが、いきなり“ビシッ!”と扇子で机を叩くんです。でも、誰が何をヘマしたのか言わないので、自分で気がつかなければならないんです。“お前だろ?”“いや、そっちでしょ?”と、カウンターの下で足を蹴りあうこともしばしばです(笑)」(前出・Hさん)

 また、コミュニケーション力の高さは芸人並みだとか。

「つらい思いをしてきた人も少なくなく、経験値が高めの人が多いんです。だからどんな話でも、聞き上手かつ話し上手。切り返しも数パターン持っていて、会話に飽きさせないポイントを押さえていると思います」(前出・Hさん)

 意外と奥深いゲイの世界。覚えることは山ほどあるけど俳優が新しい“芸”の扉を開くのに新宿二丁目はピッタリなのかもしれない──。