しかし、多くの女性は恋愛をしたいと感じている。身もふたもない話だが、女としての承認欲求は、男性に欲情されることで満たされる。もちろんその男性とは運命共同体である夫ではない。アラフォーの既婚女性はエロいとか、男を誘っているなどよろしく言われている。

 その根底にあるのは、女としての賞味期限が終わってしまう前に満たされたいという焦燥感だろう。日本の男性の多くは、女性は若ければ若いほどいい、という女性観が刷り込まれている。だからこそ、“まだ若いうちにもう一勝負”と婚外恋愛に向かうのだ。

「僕自身もオープン婚になってから、この5年でワンナイトラブも含めると、10人くらいの女性とエッチしましたが、長く続いているのはW不倫の人ばかり。でもそれも、すぐに飽きて、お互いがフェードアウトしてそれぞれの家庭に帰っていく。

「相手」は大学の同級生や後輩

 僕の漁場(笑)は、SNSで再会した大学の同級生や後輩です。彼女たちも妻同様、夫以外にパートナーを求めている。こんなことを言うと差別的だと思われるかもしれませんが、学歴が低い女性と恋愛してもあまりいいことがないんです。女性に尊敬される、ちょっとバカにしつつ支配できるというのは、一時的な満足感がありますが、でもそれはフーゾクと似ています」

 お互いのラブアフェアを報告し合うことは、山田さん夫婦はいっさいしていない。

「今日は浮気相手と会っているんだろうな、と思うこともありますが、そういう日にかぎって妻は仕事でボロボロになって帰宅したりするから、男のカンというものはあてにならないですね」

 山田さん夫妻をはじめ、オープン婚をしている夫婦の多くは、他人の遺伝子と性感染症は家庭に持ち込まないという暗黙のルールを守っている。


沢木 文(さわき あや)◎Writer&Editor。1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある。