千葉大は調査委員会を設けたと発表した。現在の調査状況や今後について聞くと、

「調査中ですので、調査の進展や結果の公表の有無など現段階でお話しできることはありません」(千葉大学広報部)

 という回答だった。

 学生の集団による性的暴行は千葉大医学部だけではない。今年5月には、東京大学の学生5人が、21歳の女子大生に対しての強制わいせつで逮捕。

「学生5人は同じサークルに所属するメンバー。居酒屋での飲み会の後、マンションに連れ込み暴行しました。逮捕された学生はみな、サークルでの目的は“女性を酒に酔わせてわいせつな行為をすること”だったと供述しています」(前出・社会部記者)

 事件はまだある。今年9月、“女子アナの登竜門”と称される『ミス慶應コンテスト』を主宰する慶應義塾大学の広告研究会が、大学側から解散を命じられた。

表向きは未成年への飲酒の強要です。実際は酒を無理やり飲ませ性的暴行に及んだことで、現在捜査が進められているそうです。千葉大は事件の詳細が公表されていないので不明ですが、東大、慶應大ともに被害者の女性は加害者と顔見知りだったそうです」(前出・社会部記者)

専門家の視点

 東大、慶應大、千葉大医学部……。これらの性犯罪における加害者の共通点は“高学歴のエリート”という点。なぜ彼らは性犯罪に走るのか。

「千葉大医学部の学生も含めて、偏差値の高い有名大学に通う彼らは、自分たちにはステータスがあり、“ブランド”だと考えています。また、そのブランド力に惹かれる女性がいることも理解しています。それに惹かれて寄ってくる女性なら“何をやってもかまわない”という意識が少なからずあるのだと思います」

 そう話すのは、若者の心の問題に詳しいジャーナリストの渋井哲也氏。

 バブル景気に華やいでいたころ、「高学歴」「高収入」「高身長」という“三高”という言葉がもてはやされた。「東大」も「慶應」も「医学部」も、30年ほど前から、価値の高い“ブランド”とされてきた。

“寄ってくるやつが悪いんだから、被害を告発しないだろう”という発想があったのだと思います。推測になりますが、被害者から訴えられなかったという、ある意味“成功体験”もあったのではないでしょうか」(前出・渋井氏)