ソロでなにかやりたいってことは、しょっちゅう思っています

――女性は、そんな男同士の友情に憧れがあります。ファンの方も、4人の友情関係がいいと話していましたよ。

「例えば、石くんはみんなが話しやすくて、(高緑)成治さんは誠実で、トミ(冨永)は兄貴肌。僕は、音楽的なリーダーであると同時に、4人の中ではいちばんやんちゃな感じ。独特の4人の空気感があって、それが当たり前のこと。もしかしたらファンのみなさんのほうが、僕たちのことをよくわかっていて、素晴らしい関係性に見えると言ってくれているのかもしれません」

エレファントカシマシ・宮本浩次 撮影/佐藤靖彦
エレファントカシマシ・宮本浩次 撮影/佐藤靖彦
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――その友情関係に、亀裂が入ったことは? グループを離れようと思ったことはなかったのでしょうか。

「40代前後になってきたときに、だんだん体力がね。10代とか20代のときと比べるとなくなってきたなと。当時は、100本くらいタバコ吸っていたから咳きこんだりすることが増えてきたり。30代後半ごろから2時間のライブが終わって家に帰ると、1時間くらい咳が止まらなくなったりして。タバコの吸いすぎでね。

 ドラムのトミが、入院するくらいの大きな病気になって、ライブツアーを休まなくちゃいけなくなったり。自分も’12年に左耳が半分、たった2週間で治っちゃったんだけど、ほとんど聞こえないときがあったんですよ。そういうことが起こってみると、なるほど、健康って大事だなと。改めてね。そういう、不可抗力なことありましたけど、やっぱり僕もメンバーも骨の髄までバンドで音を出すことが好きだから。

 でも、ソロでなにかやりたいってことは、しょっちゅう思っています。ただ自分は、バンドの中で自分を生かせると最終的に思っているから。

 30歳前後の4人の写真をいま見ると、なかなかのね、イケメンですよ。昔の写真見てください、ぜひ(笑)。当時はそういうふうに思っていなかったんだけど。だいたいバンドの人ってボーカルだけカッコよくて、あとの人はよくわからないって多いけど、その中にあって、4人それぞれ主張のある存在感を持っているっていうのはね。しかも、表面上だけじゃなくて、内面も。そういう自覚を持った4人じゃないかと思います。先ほど奇跡の出会いとおっしゃってくれましたけど、幸せにいい仲間と出会っていると言えると思います」