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話題の死後離婚ってどんな制度?

 テレビや雑誌で取り上げられ、話題となっている「死後離婚」。既婚女性なら、気になっている人も多いはず。そもそも死後離婚とは何かを、専門家に聞いた。

「『死後離婚』という言葉は、法律用語ではないんです。『姻族関係終了届』を提出することをそう呼んでいることが多いですね」

 というのは、『死後離婚』の著者でもある、終活コンサルタントの吉川美津子さん。

 弁護士の徳原聖雨さんによると、

「配偶者が亡くなった場合は、自動的に婚姻関係は終了するので、いま言われている死後離婚は厳密には離婚とは違います。

『姻族関係終了届』を出すことで配偶者の血族との関係を終了させることになりますが、2005年には約1700件ほどだった申請が、2015年には2700件となっているので、増えてきているのは確かです」

「ただ、一方的に届けを出す死後離婚は、後々のトラブルのもとになりますよ」と、夫婦問題研究家の岡野あつこさんは警鐘を鳴らす。話題の「死後離婚」をしようと考えている人は、ちょっと踏みとどまって、よく考えてみて。

どんな人が死後離婚をするの?

「死後離婚」をしたいと思う人には、いくつかのタイプがある。その言葉どおり、生前から夫と不仲で、「同じ墓に入りたくない」「夫の親族との縁を切りたい」という人。

 また、夫に不満はないけれど、「夫の親族の介護負担をする余裕がない」「義父母にイジメられて嫌な思いをしたから、介護は無理」と、夫の親族との関係が悪い人。そのほか、「実の親と一緒の墓に入りたい」「夫との結婚生活に区切りをつけて、前へ進みたい」などが多いよう。

 理由はさまざまだが、「死後離婚」の手続きは意外に簡単。役所に「姻族関係終了届」を出すだけなのだ。

 結婚することで生じた、配偶者の親族との姻族関係を終わらせることができる「姻族関係終了届」。これは、配偶者を亡くした本人だけが申請でき、配偶者の親族に知らせる必要はない。ひとりだけで手続きが完了するのが特徴で、そこに魅力を感じている人も多いようだ。