別々の中学に進み疎遠になったが、10数年たったある日、N子さんが突然、自宅を訪ねてきてくれたという。

「私が子どもを産んだことを知り、手作りの育児バッグを持ってきてくれたんです。Nちゃんは小平市の農家の息子さんと結婚し、市営住宅で拾った猫5、6匹と暮らしていました。慎ましやかな生活でしたが、楽しそうでした。どうしてこんなことに……」

 と言葉を詰まらせた。

死体を見つけたら直ちに通報

 もし、家族の衰弱や死亡に気づきながら対処しなかったとしたら、どうなるのか。

 刑事法に詳しい甲南大学法科大学院の園田寿教授は、「同居する家族が衰弱していった場合、それに気づきながら放置すると保護責任者遺棄罪が成立する可能性があります。死んでしまうと保護責任者遺棄致死罪になる。年下のきょうだいでも保護責任者になります。ただし、衰弱に気づかなかった場合は罪に問われません」と説明する。

 死んでいた場合は……。

「自分のテリトリーの中で死体を見つけて警察官に申告しないと軽犯罪法に触れます。上限は30日未満の拘留もしくは1万円未満の罰金。ただちに通報していれば法には触れません」(園田教授)

 N子さんの死を悼む幼なじみがいた。小学校時代の写真(※)を見て“遺体はNちゃんだったのか”と気づく旧友もいるかもしれない。

※補足:この記事は『週刊女性』本誌に掲載した記事を転載したものです。「最後の文章がわかりにくい」というご指摘がありましたが、本誌の記事ではN子さんの小学校時代の写真を掲載しているため、このような表現になっています。(2017年6月1日16:00更新)