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ー SNS上で拡散された天皇陛下を使用した広告

 11月19日に放送されたTBS系の人気バラエティー番組『水曜日のダウンタウン』のあるシーンがネット上を騒然とさせた。

SNS上で拡散された天皇陛下を使用した広告

「番組では『免許持ってる?持ってない?ドボンゲーム』というタイトルで、16人の芸能人や著名人の選択肢の中から、自動車免許を保持しているかどうかを当てるクイズが行われました。

 選択肢には、あのちゃんやヒコロヒーさんなど、バラエティー番組でよく見る顔ぶれのほかに長州力さん、和田アキ子さん、宮崎駿さんなど、さまざまな方がピックアップされましたが、その中に上皇さまの名前もあったのです」(スポーツ紙記者)

 上皇さまの名前があったことに視聴者も驚きを隠せなかったようで、X上では一時『上皇さま』がトレンド入りする事態に。番組が皇室の写真を使用することは問題ないのだろうか。

「宮内庁のホームページには《宮内庁が著作権を有する写真や映像等の使用許可について》の文言が公開されています。そこには、《当庁が著作権を有する写真や映像等の著作物を出版物・テレビ放映・資料などに使用する場合には、原則として、報道・教育・広報など公共性、もしくはそれに準ずると判断されたものに限ります》と記されています。

 さらに、《営利目的の販売品や広告、個人的な目的や特定の個人・団体の宣伝となるもの又はそのおそれがあるものは認められません》と綴られています。もちろん、水ダウの制作陣は宮内庁に許可を取ったうえで、写真を使用したのでしょう」(皇室担当記者、以下同)

 使用用途にもよるだろうが、宮内庁に許可を取れば問題ないということなのだろう。

 しかし、宮内庁が禁止している《営利目的の販売品や広告、個人的な目的や特定の個人・団体の宣伝となるもの》に触れるようのものが、SNS上で散見されているという。

X上で拡散された天皇陛下を使用したYouTube広告(拡散された投稿より)
X上で拡散された天皇陛下を使用したYouTube広告(拡散された投稿より)

「X上で、《YouTube見てたら天皇陛下が投資の宣伝してたんだが…》という投稿が拡散され、1000万回以上も表示をされました。投稿者によると、YouTubeで表示される広告の中に、天皇陛下が投資を促すものがあったというのです。

 おそらくディープフェイクで作られたものでしょうが、これは明らかに違反に当たりますし、何より悪質。宮内庁には、広告主はもちろんのこと、こうした広告を流すYouTube側にも抗議してもらいたいです」

 2023年にも、アメリカのMeta社が運営するFacebookやInstagram上で天皇陛下のスピーチ映像を改変した、詐欺広告が流れたことがあり、今回が初めてのことではないという。相次ぐ悪質な広告運用に対し、宮内庁はどのような対応を取っているのだろうか。問い合わせてみると、

「ご指摘のような広告があることは承知しています。個別の事案への具体的な対応については回答を差し控えますが、必要に応じて、プラットフォーム事業者や関係省庁等と連携しながら、適切に対応しております」

 と回答があった。 一刻も早く該当の広告が削除されることを願うばかりだ。