「新型うつ」の特徴

・自尊心が強く、傷つきやすい

・自分が「うつ」だと公言する

・仕事の時だけ「うつ」になる

・他責的で環境に不満がある

・一定レベルに回復してからも復職に手間取る

・上司や同僚の残業は気にしない

・有給休暇は使い切る

・キャリアへの偏狭な観念にとらわれる

 上記8項目が新型うつの特徴です。

 仕事が休みのときには症状が消えるのに、会社や上司の顔を思い浮かべると急に不安に覆われます。自尊心や他責傾向が強いので、周囲も扱い方に困惑する場面が多々見られます。

「新型うつ」は若い人だけに起こる症状ではないんです!

 新型うつは従来若い人に多いと言われていましたが、最近では中年以降でも似たような傾向を示す人が増えているようです。

 このような人が増加している背景には、4つの原因が考えられます。

・失敗する、ひどく怒られる、恥をかく、裏切られる、あきらめるといった経験が乏しく、ストレスへの耐性が備わらないまま社会人になってしまった。

・インターネットなどで簡単に物が買える、情報が獲得できる環境にあり、それを自分の能力として「自分はできる」という高い自己評価をしている。

・家庭や学校、職場での過保護や過干渉、マニュアル第一主義の影響で、決められたこと、指示されたことしかできない依存体質が強くなった。その結果、不安感、孤立感を感じやすくなっている。

・ゆとり教育などの影響で、「ナンバーワンよりオンリーワン」という個性重視の意識が強いため、「自分に合っているのはこんな仕事」という思い込みが強い。仕事と自分の理想とのギャップを感じている。

 上記4つが新型うつを増加する原因になると考えられます。

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 社会人になるということは、失敗も含めて様々な経験を積むことと同義です。それを乗り越えることで仕事のスキルが向上し、自信を持つことができるのです。ところが、経験を積む以前の段階で折れてしまうのが新型うつの特徴とも言えるのです。

“うつ”にならないためには、自分の心の傾向を知ることが大切

 メランコリー気質タイプ、執着気質タイプ、そして自己愛・依存タイプ・・・

 ストレスを抱えやすい人が、すべてこの3つに分類できるわけではありません。一人の中で複数の傾向が重なり合っている場合もあります。ただし、こうした型を基準として自分のストレス傾向を知っておくことは大切です。

 自分はどのタイプに近いのか、どういう要素を持っているのか、あらためて考え直してみるのもいいのではないのでしょうか。