自己暗示文『あくび』

まず両手を伸ばして背中を伸ばし、口を大きく開けて

「あぁ~あ!」と言って、

わざと「あくび」のマネをしてみましょう。

(※実際にしてみてください)

 

いまのあなたは、まったく眠くはないかもしれません。

ここであなたは大きく口を開けて、

「あくび」のマネだけをしてみました。

 

そして、あなたはこの話を最後まで読んでから、

静かに眠ることにしてもいいかもしれませんし、

そのまま眠ることをしなくてもいいかもしれません。

 

この話を読み終えて静かに目を閉じると、

すぐに深~い眠りに落ちるかもしれませんし、

徐々に浅~い眠りから深~い眠りに入っていくかもしれません。

それはどちらでもいいのです。

 

「眠~くなる……」って、どんな感じだったでしょうか?

思い出しながら、イメージしてみましょう。

(静かに目を閉じて、少しの時間、イメージしてみてください)

あなたの意識が、

音もなく、静かにス~と、

そして心地よ~く遠ざかっていく感じ

を思い出してみましょう。

 

右足あるいは左足のつま先から、

そして両手の指の先から

徐々に力が抜けていき、

やがて全身から力が抜けていくことがわかります。

 

何だかよくわからないような

すご~く気持ちのいい状態かもしれません。

それを少~し楽しんでみましょう。

 

そしてあなたは、

「周りのことは、もうどうでもいいや!」

感じつつある自分に気づくかもしれません。

 

この文書の一文字一文字を目で追い続けることが、

少~しつらくなっていることに気がついているかもしれません。

目を半分閉じて、薄目にして読んでも大丈夫しょう。

 

そして最後まで読み切れば、

自然と深~い眠りにつけることをあなたは知っています

 

「まぶた」が少~し重くなると、

静かにス~と遠ざかるような気持ちの良い感じ

味わえることも知っています

 

あるいは、同じ行を2度繰り返して読んでいる自分に

気がつくかもしれません。

それはとてもいいことです。

 

ここで耳を澄ませてみましょう。

 

時計の音が聞こえているかもしれません。

壁を通して、

他の部屋の音が聞こえているかもしれません。

窓から外の音が聞こえてきているかもしれません。

空調の静かな風の音が聞こえているかもしれません。

あなたにとっては、もうどうでもいいことです。

 

いまあなたは深~い眠りに入るための準備を

そろそろ終えようとしているところです。

また、「あくび」のマネをしてみましょう。

(※実際にまたしてみてください)

さっきよりず~っと本当の「あくび」に近い

じょ~ずな「あくび」ができたかもしれません。

 

もしも眠くなければ、眠らなくてもいいし、

そのまま眠ってしまってもいいでしょう。

これを読み終わったら、

徐々に薄れゆく

そして遠ざかるあなたの意識を楽しんでみましょう。

 

ここまで読みながら、

あなたは他のことを考え始めたかもしれませんし、

なんだか少~しボ~としてきたような自分に

気がついたかもしれません。

「まぶた」がだ~んだんと重くなってきた

感じ始めたかもしれません。

眠るのは、最後まで読み終わってからにしましょう。

そろそろこのお話もおしまいに近づいてきました。

 

遠ざかっていく意識に対して、

私からの最後の言葉です。

おやすみなさい……。

 

文/菊地克仁(あなたを変える言葉の研究会代表、LABプロファイルトレーナー)


<著者プロフィール>
菊地克仁(きくち・かつひと)◎NLP(神経言語プログラミング)マスタープラクティショナー。言葉で人を変容させるLABプロファイル(影響言語)トレーナー。キャリアカウンセラー(GCDF)。筆跡心理コンサルタント。あなたを変える言葉の研究会代表。1953年東京生まれ。大学卒業後、準大手建設会社に入社。11年間の在籍中、日本をはじめ、マレーシア、インドネシア、ブルネイなど、各国の建築工事に従事。その後、大手信託銀行、ビルオーナー運営代行会社(PM会社)に就職。2002年以降にNLPマスタープラクティショナー、キャリアカウンセラー(GCDF)、LABプロファイルトレーナーなどの資格を取得。2013年の定年退職と同時に起業し、株式会社往来庵を設立。現在は自己暗示や催眠技法による言葉や表現を使って潜在意識を刺激し、クライアントの望む姿に変容させてゆくためのパーソナルサポートを行っている。著書に『三週間で自分が変わる文字の書き方』(PHP研究所)。

<監修者プロフィール>
白川修一郎(しらかわ・しゅういちろう)◎睡眠評価研究機構代表。医学博士。日本睡眠改善協議会理事長として活躍。睡眠研究のパイオニアとして知られ、JR東海など企業の睡眠教育にかかわるほか、各メディアで睡眠科学に基づく正しい睡眠の方法を解説している。