『日清カップカレーライス』⇒『日清カレーメシ』

■新ジャンルのカレーにシフトチェンジ

日清『カップカレーライス』は商品名に消費者の期待値が大きかった(左)。佐藤可士和さんプロデュースでモデルチェンジした『日清カレーメシ』(中)。現在は、湯かけ調理で容器の形が変わった『日清カレーメシ』(右)
日清『カップカレーライス』は商品名に消費者の期待値が大きかった(左)。佐藤可士和さんプロデュースでモデルチェンジした『日清カレーメシ』(中)。現在は、湯かけ調理で容器の形が変わった『日清カレーメシ』(右)
すべての写真を見る

 国民食のカレーライスを即席カップライスにした『日清カレーメシ』。現在では、日清食品を代表するブランドのひとつに成長しており、カレー以外にも、『ハヤシメシ』など、さまざまなバリエーションも販売されている。だが過去には、わずか半年余りでネーミング変更した経緯があった。

 カレーメシの前身となる『日清カップカレーライス』は、ライス、カレールー、具材が一緒になったボックス型の容器に水を入れて、電子レンジでチンするだけの調理の簡便性を売りに、2013年9月に発売された。

 消費者からのおいしさに対する評価は非常に高かったものの「ごはんとカレールーが分かれていない」「最初から混ざっているのは、カレーライスじゃない」といった意見が多く寄せられた。こうした反響を受けて、ブランドコンセプトを見直すことになった。トータルプロデュースは、ユニクロのロゴデザインなどで知られるアートディレクターの佐藤可士和さんが手がけた。

 ルーでもレトルトでもない、新ジャンルのカレーをイメージさせ、かつシンプルでわかりやすい『カレーメシ』とし、デザインも一新して’14年4月に発売した。

 ブランドコミュニケーションでは、“理解不能な新しさ”をコンセプトに、ターゲットを若年層の男性に絞り、ゆるキャラ“カレーメシくん”が登場するユニークなCMやSNSを展開。「カレーメシって何?」「ヤバい、面白い、おいしい」「ぶっ飛んでいる」など、大反響を呼ぶことになった。

「『カップカレーライス』は、販売期間が半年だけだったこともありブランド認知度が低かったので、『カレーメシ』は、まったく新しい食品として受け入れられたと思います」(日清食品ブランドマネージャーの金子大介さん)

 2016年8月には、電子レンジ調理からカップにお湯を注ぐだけの“湯かけ調理”にリニューアル。さらに調理が手軽になったこともあって、リニューアル後、1年間の売り上げが、前年比の2倍に。

 ブランド誕生から4年、認知度も売り上げもアップし、『日経トレンディ』で“2017年ヒット商品ベスト30”にも選ばれている。