『缶入り煎茶』⇒『お~いお茶』

■きっかけは問い合わせと大学生の意識調査

 1990年に発売された世界初のペットボトル入り緑茶『お~いお茶』は、『缶入り煎茶』から誕生した。

缶入り煎茶は、緑茶市場の活性化を目指し1984年に発売。ネーミング変更した『お〜いお茶』は30年、支持されている
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『缶入り煎茶』は1984年に商品化されたが、当時は“お茶はタダで飲むもの”といった意識が強く、小売り店や消費者には抵抗感があった。営業にも苦労するなか、新幹線のホームで弁当と一緒にプラスチック容器入りの緑茶が売られていることに目をつけ、弁当店や当時増え始めたコンビニエンスストアに販路を求めた。

 取扱店舗は増えたが、売り上げは伸び悩んだ。低迷していた緑茶(リーフ)市場の活性化と知名度向上を信念としていたが、消費者から「“煎茶”の読み方がわからない」と問い合わせが入った。

 その後も「まえ茶? ぜん茶?」「日本のお茶か?」といった声が相次いだことをきっかけに、大学生の意識調査を実施することにした。その調査で「日本茶をなんと呼ぶか?」の問いに、ダントツ1位は「緑茶」、「日本茶」「グリーンティー」が続き、「煎茶」は4位という結果に衝撃を受けた。

 そうした結果を受けて、若年層との認識のギャップに商品価値の見直しを図ることになった。

 緑茶は家庭的で、自然な飲み物であることを訴求することや、台頭するコンビニのショーケースから消費者に語りかけるイメージと、’68年からCMに出演していた、俳優の島田正吾さん(故人)が、おっとりとした口調で呼びかけるなじみのあったフレーズ『お~いお茶』を商品名にした。容器のデザインは自然な飲み物を具現化するため、古くは水筒にも使われた竹をイメージした。

 ’89年に『お~いお茶』へとリニューアル発売された初年度の売り上げは40億円で、『缶入り煎茶』発売初年度と比べると約6倍に! 翌年のペットボトル入りが販売されて以降、売り上げは右肩上がり。

『お~いお茶』は、2000年秋には、飲料業界で初めてホット用ペットボトル飲料として発売され、翌年には、約10社が参入、市場拡大を牽引した。’09年に発売20周年を迎え、累計販売本数は150億本(500mlペットボトル換算)を突破している。

 今では海外や訪日外国人にも人気の緑茶ブームの一翼を担っている。