伊藤みどりの五輪出場を阻もうとしたもの

 トリプルアクセルといえば、いまでは、'17年に引退した浅田真央の得意技として知られるが、世界で初めて女子でこの技を成功させたのは、同じく日本人の伊藤みどり。'92年のアルベールビル五輪で銀メダルを獲得した彼女は、小学6年生で全日本フィギュアで優勝するなど、まさに“天才少女”だった。

「コーチ代、リンク代、コスチューム代、道具代など、フィギュアスケートは出費がかさむため、いまでも裕福な家庭の子どもが多いスポーツです。しかし、伊藤さんの家庭は母子家庭で裕福ではなかった。彼女を育てた山田満知子コーチは“何度もスケートをやめさせるという話があった”と話しています。

 大きい出費を母子家庭に課すのはあまりに忍びない、ということだったのです。しかし、彼女の才能を伸ばさないのはあまりに惜しすぎる。山田コーチは自宅に住まわせ、指導を続けたのです」(前出・スポーツジャーナリスト)

 まさに“二人三脚”で獲得したメダルだった。

五輪期間中に選手の財布を悩ます○○代金

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 五輪は国際大会であるため、世界中で開催される。そのため選手を悩ませるのは……。

「昔の選手ほど“電話代が馬鹿にならない”と言いますね。時代を遡れば遡るほど国際電話の料金は高かったわけですしね。まだ子どもが小さい選手などは、期間中に毎日電話したりしていると、それだけで数万、高い人で10万円にもなったという選手もいましたよ」(前出・スポーツ紙記者)

 しかし、そんな五輪期間中に、人生を懸ける一世一代の重大なメッセージを伝えるために、国際電話をかけた選手がいる。

「葛西紀明選手は、ソチ五輪のスキージャンプ個人ラージヒルで銀メダルを獲得したその夜、選手村の自室から当時交際していた12歳年下の一般女性に、メダル獲得の報告とともにプロポーズしたそうです。お相手となった現在の奥さんは、喜びで大号泣だったそうですよ」(前出・スキー雑誌編集者)

 さすが、レジェンド!