降圧剤×グレープフルーツ

 これはNG。降圧剤とは、主に高血圧の治療に使われる薬で、血圧を正常範囲までしっかりと下げてコントロールするのが目的。体内に入ると、肝臓にある酵素で分解される。ところがグレープフルーツに含まれる成分は、この働きを阻害してしまうという。

「そのため薬が体内に長くとどまり、効果を強めてしまうおそれがあります。血圧を余計に下げてしまうんです」

 と植田先生。グレープフルーツの実を食べるだけでなく、ジュースを飲んでも同じ作用が。薬を飲む前に、食べたり飲んだりするのはやめておこう。ただし、同じかんきつ類でも、みかんやオレンジは大丈夫だとか。

ワルファリン×納豆

 植田先生によると、これもNG。

「ワルファリンは血液を溶かす薬。血栓ができるのを防ぐ作用があります。血液を固めるにはビタミンKが必要で、これは納豆や青汁に多く含まれている成分。

 つまりビタミンKは、血液をサラサラにするワルファリンの効果を減少させるので、納豆や青汁と一緒にとるのはNGということ。病院でも、ワルファリンを服用している患者には注意を促していると思いますよ

 納豆や青汁のほかにも、クロレラ、ハーブティーなどに含まれているセント・ジョーンズ・ワート、話題のユーグレナ(ミドリムシ)もビタミンKは豊富。ワルファリンを服用している人は、やはり注意したほうがよさそう。

鎮痛薬・かぜ薬×お茶

 つい手近にあるもので飲んじゃうけれど、本来ならば、どんな薬も水か白湯で飲むのが基本。とはいえ、最近は少し事情が違ってきている様子。

「よく患者さんから問い合わせがあるんですが、薬によっては、ペットボトルの緑茶やウーロン茶でもいいとお答えしています。赤ちゃんや小さなお子さんに限り、ジュース類で服用していただくこともあります」(都内の薬剤師)

 ただ、鎮痛薬にはカフェインが含まれていることが多く、紅茶や緑茶などで飲んだ場合は過剰摂取になってしまう。なので、やっぱりNG。

 風邪薬も同様に、眠気を軽くするためにカフェイン含有の場合があるので、せめてカフェインレスのほうじ茶や麦茶で飲むのがよさそう。


〈お話を伺ったのはこの方〉
植田美津恵先生

医学博士、医学ジャーナリスト。愛知医科大学客員教授、東京通信大学准教授。各大学にて教壇に立つほか、医学番組の監修、テレビコメンテーター、講演活動を行う。近著に『忍者ダイエット』(サンドランチ)