テレビを見ていて「ん? 今、なんかモヤモヤした……」と思うことはないだろうか。“ながら見”してたら流せてしまうが、ふとその部分だけを引っ張り出してみると、女に対してものすごく無神経な言動だったり、「これはいかがなものか!」と思うことだったり。あるいは「気にするべきはそこじゃないよね〜」とツッコミを入れたくなるような案件も。これを、Jアラートならぬ「オンナアラート」と呼ぶことにする。(コラムニスト・吉田潮)

イブちゃんの死因特定へ 野崎幸助さんの自宅に入る捜査員=7日午後、和歌山県田辺市(写真/共同通信社)

 

オンナアラート #14 紀州のドン・ファン

 紀州のドン・ファン。キシュウノドンファン。競走馬のような呼称が連呼され、テレビ界を席巻している。

 日大アメフト部はどうした? 官僚のセクハラはどうした? 貴乃花はどうなった? あっという間に潮目が変わるテレビのワイドショー。各局どこも一気に同じ内容になり、連呼される文言も気味が悪いほど揃う。

 さて、この野崎幸助氏が亡くなった事件。解剖の結果、覚醒剤を盛られた疑惑が浮上し、登場人物もサスペンスドラマ2時間モノ並みに広がりつつある。

 妻、妻の母、妻の友人たち、家政婦、家政婦元夫、番頭に女衒(ぜげんって!今の時代もいるんだ)、元従業員に愛イブちゃんまで(アイケンイブチャン、これも競走馬のようだ)。

 さらには親交のあったデヴィ夫人や、まったく関係ない仁支川峰子や竹内力までもが週刊誌報道で名を連ねられ、まさかのとばっちり。一般人としては、うっすら納得というか、ほの暗いつながりを妄想してしまうラインナップではあるけれど。

 しかも、別の週刊誌では棺に納められた野崎氏の写真まで公開されている。著書で己のすべてをさらけ出しているかのように見えた野崎氏も、さすがに自分の死後の姿までが白日の下にさらされるとは思ってもいなかったに違いない。野崎氏のご冥福を祈りつつも、不謹慎ながらオンナアラートを発令させていただこう。