毎日、万歩計をつけて外出。午後の散歩では、5000歩を目標に歩くようにしている 写真協力/石澤真実
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 清水さんは、本当はちょっぴり元気がないときでも、人と会うときは意識してはつらつと振る舞う。心のメンテナンスはどうしているのかと聞くと、大好きなユリの花を玄関に活けたりするなど、いくつか逃げ道を作っておくのだそう。

「誰もくれないから、自分でご褒美を用意しておくの(笑)。仲よしのきょうだいがいても、子どもや孫ができたら自分の身内のほうが可愛いのは当たり前。自分は自分で独立しなきゃいけないと思うのよ」

 おひとりさまで生きるからこそ、健康管理には人一倍、気を遣っている。

「1日3食、毎日きちんと食べること。地産地消で、旬のものを食べるのがいいのよ。年をとったら、なおさら身体に合ったものを食べることが大事。肉も魚もバランスよく。国産のいい食材を選んでいます」

 食事を手作りすることも、健康の秘訣。1人分を作るのは効率が悪くなったりもするので、卵焼き器を使って2切れ分の煮魚を作り、余った1切れ分を煮汁ごと保存袋に入れ、冷凍するなど工夫も欠かさない。

 翌朝食べるものを、晩ごはんを準備しているときに作っておけば、朝もラク。作り置きしたり、冷凍してあったものを2~3品、小さな器ごと大鍋の中に、並べ入れ、湯せんで温めるだけで朝食のできあがり。お茶がわりに“だし汁”を飲むことも長年、実践している健康法のひとつ。

「朝、起きたらだしをとって、温かいのをまず1杯、ゴクッと飲みます。胃腸を通っていくのがわかると、“今日も元気だな”って実感できるんです」

 身体の冷えを防ぐこと、甘いものを控えることも続けている。特に甘いものは体内に乳酸が出て、余計に疲れてしまう。健康に配慮しているおかげか、数年前に行った病院の検査では、「腸年齢は20代」だった。

「今はこうして元気にやっていますが、これから本当に働こうと思っても、あと10年もないと思ってるの。だからこそ、日本の大事にしてきた食生活や食文化を、親から子へ、後世に伝える仕事をやっていきたい。そして、人生の終いをきちんと生きていきたいのです」


〈PROFILE〉
しみず・しんこ ◎料理研究家。基本の和食から、簡単なお惣菜、懐石料理まで、上品な味つけとわかりやすい指導で人気。NHK『きょうの料理』をはじめ、テレビ番組、雑誌でも活躍。著書に『基本の和風こんだて―おいしい手間をかけましょう!』、『いいことあったら「ハレの日」ごはん』、『和食かんたんおけいこ帖』など多数。