巨人のエースも信頼を置くメニュー

 神戸で働いて足掛け10年に達した明子さんだが、近年は寮母以外の活動にも力を入れる。そのひとつが巨人・内海哲也投手を中心としたプロ野球選手6~7人の自主トレ時の食事管理。

前列左から3番目)巨人・内海選手らとの自主トレに同行し、明子さんも食事管理を担当
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 ’14年~’17年の4年間、1月中のグアム・沖縄キャンプに16日間、同行し栄養・カロリーをコントロールした食事を提供してきた。内海投手も「バランスのいい食事ができるようになり、トレーニング効率が上がった」と話す。

村野さんは体重増減に合わせたメニューを考えてくれました。特に減量の場合は“食べる量を減らすとストレスになるから”と、お腹いっぱいになるのに体重を落とせるメニューを作ってくれました。食材は高タンパク低脂肪のものを使い、調理法や調味料もカロリーが低くなるように工夫されていたと思います。印象的だったのは、1年目初日の朝食。その品数の多さには驚きました。中でも自家製パンのおいしかったこと。それには本当にビックリしました。“この人に任せておけば大丈夫”という安心感を村野さんには持てましたね

 明子さんにこの話を持ちかけたのが、5年間ヴィッセル神戸で栄養アドバイザーを務めていた大手食品メーカー『明治』の管理栄養士・大前恵さんだ。

「神戸では、体脂肪率を減らせない選手、増量できない選手などいろんなケースがあり、村野さんと一緒に解決にあたりました。彼女はものすごく勉強しているし、おいしく食べてもらう工夫も惜しまない。脂肪の少ない赤身の肉なんかもそのままだとパサパサしているけど、おいしい料理に仕上げていますし、油を使う場合でもカロリーを減らすひと手間をかける。逆にこちらが“こういう方法もあるんだ”と勉強になりました。しかも2度と同じものを作らないと言っていいほどバリエーションが多い。“この人なら大丈夫”と確信して、内海選手に紹介しました」

 そう語る大前さんは、今年アメリカメジャーリーグ・エンゼルスに移籍した大谷翔平選手にも明子さんを紹介。彼女は2月にキャンプ地・アリゾナへ向かった。

大谷選手の約20日間の滞在期間分の夕食を作り置きするのがメインの仕事でした。私自身は3泊4日の短期滞在。スーパーで肉や魚、冷凍できる野菜などを買って準備しておいて、肉はスペアリブを甘辛く炊いたものだったり、ポトフやカレー、肉を揚げていない酢豚、魚は鮭やタラを白だしで炊くなどの料理をしました。

 たしか90~100食分くらいは作ったかな。大谷選手がひとりでも料理できるように、一緒にキッチンに立って教えることもありました」