優一氏の行いで「ヤバ母」と責められる

 ケイコが講演会などの仕事を始めて、相撲部屋をないがしろにしたことが離婚の原因と見る人はいます。ケイコは『バイキング・ザ・ゴールデン』で、そもそも仕事は貴乃花氏からの勧めで始めたものであり(貴乃花が降格するということは収入が減るということ)、その報酬が相撲部屋の運営費になった、つまり部屋のためだと強調したのですが、それでも「元女子アナだから出たがり」と見る人はいるでしょう。

 さらに靴職人としてテレビで紹介された長男の優一氏が、靴の代金を受け取ったものの商品を納入していなかったり、陣幕親方の娘と結婚したものの、他の女性とのデートを写真週刊誌に撮られて離婚するなど、やることなすこと中途半端なのです。ケイコが甘いと書き立てる週刊誌がありますが、子どもが不始末を起こすと、父親は何も言われず、母親だけがヤバ母として責められるのが日本社会というもの。

 さて、ケイコがヤバ女扱いされたと思われる根拠をもう一度並べて見てみましょう。

(1)オトコに媚びている
(2)年を取っている
(3)できちゃった結婚なんてけしからん
(4)家庭をないがしろにして仕事をする
(5)子どもが良く育たないのは、母親のせいだ

 これらは一般人の女性もどれか1つは経験したことのあるバッシングではないでしょうか。ケイコは23年前から、女性差別を一人で受け止めてきたと言っても過言ではないと思うのです。

 久しぶりに白のスーツでテレビに出演したケイコは、輝いていた。ケイコの輝く場所は、やはりテレビではないでしょうか。フジテレビの定例社長会見で、ケイコのフジテレビ復帰は「可能性がないわけではない」という発言があったと『スポーツ報知』が報じましたが、復帰したケイコがイキイキすればするほど、「やはり、相撲部屋の女将で満足できる人ではない」とバッシングが巻き起こるような気がします。


プロフィール
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。