理事長室の神棚を1人ずつ拝む

朝の“儀式”の様子。理事長室へ列をなす教師たち(私学教員ユニオン提供)
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 複数の教師によると、一部の非常勤講師を除いた全教師約40人が午前6時半までに登校し、理事長室前の廊下に1列に並んで理事長の登校を待つ。約10分後に理事長が登校すると、先頭から1人ずつ順番に理事長室に入り、

「おはようございます」

 と挨拶をして、室内の神棚を拝む。理事長が質問することもあるため、全教師が挨拶を終えるまでに1時間弱かかったこともあったという。

「学校側は、早朝挨拶は強制ではなく慣習だと主張しています。しかし、早出しなかった場合、理事長から直接怒られることはないにせよ、ワンマン理事長のイエスマンである校長から“ふざけんな!”“何やってんだ!”などと恫喝されるし、査定や昇進にも影響しますからね」

 と前出の数学教諭。

 理事長は午後4時には定時退勤しているというから早起きは苦にならないようだ。

「早朝挨拶はまさしく強制、強要の儀式であり、権力をかざしたパワハラ以外の何物でもない。午前7時半からは全教職員による朝礼もある。儀式は現在の理事長になってから約20年継続しており、先代の理事長時代を含めると30年以上も続いている」(前出のユニオン担当者)

ストライキに参加した教師が理事長への不満を爆発させた

 この朝のストライキは学校側に事前通告しており、当事者の理事長は定刻を過ぎてもなかなか登校してこなかった。

 遅れること約35分、正門前に運転手つき自家用車を横づけした理事長が車を降りると、待ち構えていた教師たちがいっせいに、

「理事長、朝の挨拶はやめましょうよ」

 などと呼びかけた。

 理事長は「なんで?」と小声でニヤけると、それ以上は答えようとせず、片手で制するポーズをとって足早に校内へ消えていった。