ファンは信じるしかない

 とはいえ、当初、大野智は所属事務所の退所を考えていた、と述べていることから、先々の復活より、目先の休養を目指していたことは明らかだ。話し合いの中で、いずれ復帰する方向で意見が集約し、5人と事務所は合意したと見るのが妥当だろう。

 その合意が守られることを、ファンは信じるしかない。この合意のために、ファンはファンクラブの会費を払い続ける。入会金1000円、年会費4000円。最新のスポーツ紙報道によれば、活動休止発表後、約15万人が新規加入したという。それだけで、7億5000万円の実入りだ。

 果たして嵐は、活動休止中も通常通りの年会費を取り続けるのだろうか。今のところ、何のアナウンスもないが、ファンを思えば、復活の日までの年会費を大幅に割引するなど、ファンサービスを行う必要があるだろう。それがなければ255万人(現段階)の会員から毎年4000円を徴収しつづけることになる。総額毎年102億円!だ。

 関係者はスポーツ紙の取材に「2020年の12月ギリギリまで会員を募集したい」と話している。さすがに活動休止中には新規募集はしないだろうが、ギリギリまで受け入れるという。

 活動休止になれば、ある程度の人数が減員するのは明らかだ。というのも嵐のファンに限らず、チケットを入手するために、自分や親、きょうだい、親類などの住所氏名で会員になり、会費を払っているファンクラブ会員は多いからだ。

 それでも莫大なファンクラブ会費がもたらされる。それでいいのだろうか?

 櫻井翔は、失礼な質問に対し「2年近くの期間で感謝を伝えていきます。その姿勢や行動でもって判断してほしい」と、若干の怒気を込め反論していた。

 それだけでは充分でない。

 復活の日を待つファンに「裏切られた」「無責任」と思われないためには、嵐は何が何でも復活しなければならない。

 会見で大野が「4人以上に気をつけたい」といっていた体形を保持して、5人が全員健康に生き延びて、再びパフォーマンスをしなければならない。いや、してほしい。それが復活の日を待つファンへの「責任」である。それが「活動休止」というものである。

<取材・文/薮入うらら>