恋愛禁止令を自分に!?

「周りからは、恋愛経験が豊富だと思われるのですが、全然そんなことなくて(笑)。というのも、デビューするまでの5年間は“恋愛禁止令”を自分に課していて、まったく恋愛をしていなかったんです。

 私の恋愛ソングが中高生の女の子たちに響いているのは、私の恋愛基準が二十歳までの恋愛経験にもとづいているからなのかも。友人からは“ericaはまだそういう曲を作れるんだ”とか言われちゃいます(笑)」

erica 撮影/北村史成
erica 撮影/北村史成
【写真】恋愛遍歴などを話すerica

 恋愛経験が少ないと自負する彼女とはいえ、自身の曲に自分の体験談を盛り込んだこともある。

『今日、告白します。』という曲は、私の体験がもとになっています。私は普段から盛り上げ役に徹してしまうことが多くて、学生時代には、好きだった男性の恋愛相談をよく聞いちゃってました。

 その人には、卒業の日に“私はあなたのことが好きだったということだけ知っておいて”と、あえてフラれるために告白したんです。

 返事もいらないし、もう友達には戻れないかもしれないけれど、あなたの中では友達だったericaじゃなくて、あなたのことが好きだったericaでいたいと思って。

 私は言わないで後悔するより、言って後悔しないと次の恋に進めないと思っていたんです。そういった話を曲に盛り込みましたね」

 これまでは『レコチョク』や『iTunes』、『LINE MUSIC』などのデジタル配信が多かったが、今回リリースするアルバムは、CD盤も製作している。

「そのときにあふれ出た感情を曲に落とし込むことが多いので、これまではスピード感のあるデジタル配信ばかりでした。ただ、手にとれる形に残してほしいというファンの方々の声も多かったんです。

 今回のアルバムには、初めての挑戦として、書き下ろしやライブで盛り上がるための曲なども収録しています。今までは配信限定の曲がたまったらアルバムにする形でしたが、今回はいわゆる恋愛ソングだけではなく、バリエーション豊富なラインナップになっています!

 ひとつずつ、階段を上り続けているerica。アーティストとしての「夢」についても聞いてみると、

「規模や場所も大切ですが、いちばんの目標は“歌い続けること”ですね。活動休止をするアーティストもいらっしゃる中で、歌い続けることは本当に大変だなと常々感じています。“自分が歌うことで誰かを本当に勇気づけられているのか”“この仕事が自分に本当に合っているのか”など、悩むことも多いです。

 でも、ライブでファンの方々の表情を見たり、ちょっとしたひと言をいただくことで、歌手としての自分をつなぎとめてきました。何かをクリアすると、すぐに次の壁が出てきてゴールが見えない世界ですが、ファンの方々のためにも歌い続けていきたいです!

 そのアツい思いは、ファンの心にもきっと届いていることだろう。

『告うた3〜あなたへ贈る歌2〜』
2月20日リリース
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PROFILE●えりか●2006年に山梨県北杜市から上京。レパートリーの多くは「告白」「失恋」「片思い」などをテーマとした楽曲であり、本人はそれを「告うた」と呼んでいる。「半径2m以内の恋愛」について歌っている「告うた」の歌詞は、女子中高生・女子大生を中心とした10代から20代の女性から大きな支持を集めている。代表曲である『あなたへ贈る歌』が口コミだけでYouTube再生回数2800万回を超えるなど、新世代のソーシャル型アーティストとしても大きく注目されている。