それから2年、「あれ? 私、歯科医に行っておらんやん?」と気づいた。そこで、総入れ歯の宣告をした歯科医のもとを訪ねて、聞いてみた。

こちらが特許証。'05年に特許を出願し、'12年に晴れて登録される
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 歯科医が竹内さんの口内を見ると、歯ぐきはピンク色でしっかりと引き締まっているではないか。

「竹内さん、治っとるやないか。一体どうしたん?」

「自分で薬作ったわ」

「すごいことやで。大学で調べてもらったらどうや」

 歯科医にすすめられるままに調べてもらった結果、動物実験で毒性は否定されさらに歯周病菌、虫歯菌が激減するなどの抗菌活性が認められたのだった。

まさかの商品化、まさかのバカ売れ

 そして特許出願、'07年には健康食品製造会社に依頼して商品を開発。竹内さんは娘の園絵さんとともに会社『Y&S』を立ち上げ、洗口液と歯磨きジェルの販売を始めた。これまでに累計22万本が売れたという。

 母の無茶な実験を見続けてきた園絵さんがこう話してくれた。

洗口液100ml1242円、歯磨きジェル56g1566円で販売

「家族はまったく信じてなかったんですよ(笑)。でも、利用者さんから感謝のハガキがたくさん届いたり、お礼を言いに訪ねてくる人を見て“本当に役に立ってるんだ”と実感するようになりました」

 竹内さんが言う。

「世の中に必要なものは、誰かの手を使って世に出てくるような気がします。その誰かに選ばれたことに感謝していますよ」

 それにしても、育毛剤はいまだ完成していない。

「初志貫徹しますよ。(記者の頭部を見て)完成したら連絡しますね」