取材当日、細木かおりさんが現場に現れると、その華やかなオーラで、その場が一気に明るい雰囲気に包まれました。かおりさんは、細木数子先生の妹の長女で先生にとっては姪にあたる血縁。2016年に養子縁組をして、数子先生の養女になりました。

 そして正式に「六星占術」を引き継ぐ後継者となり、2018年から本格的に、講演会や個人鑑定などの活動をスタートしています。そこで、まずは、六星占術を数子先生から引き継いだ経緯からお話を聞くことにしましょう。

  ◇   ◇   ◇  

「かおりが継がなかったら終わりにする」

「2008年に、初めて引き継ぎの話があったんです。でも、子育ても忙しかったし、そんな覚悟も持てなくて、そのときはお断りしました」

 数子先生の苦労を近くで見てきたからこそ、葛藤やとまどいが大きかったそうです。

「細木数子という名前が有名になり注目度が大きかったぶん、過激な発言は周りからの反応が厳しいこともあったし、マスコミにいろいろ書かれることもあったりで……。みんなが幸せになるために六星占術を始めたのに、なかなか報われない様子を見ていてはがゆかったですね

 そのとき、数子先生は、70歳。その姿を見つめるうち、かおりさんの気持ちに少し変化が出てきました。特に、

「かおりが継がなかったら、この六星占術は終わりにする」

 と言われたことが胸に響きました。『数子先生が人生をかけてやってきたことを、私の思いひとつで簡単に終わらせてはいけない』と、2012年からは、先生の勉強会のアシスタントをしながら、より学びを深めることに。

「六星占術」は、4000年以上も前から中国に伝わる統計学がルーツ。さらに方象学、算命学、易学などを研究し、細木数子先生が独自に編み出した占術です。それを習得するのには、並々ならぬ努力が必要でした。2016年に数子先生の養女になると、正式に「六星占術」を継ぐ後継者になりました。

「数子先生が母という立場になりましたが、小さいころからよく一緒にいて、可愛がってもらったので自然な感じです。年齢が離れているので、私にとっては優しいおばあちゃんって感じかな。また時には、女友達のようななんでも話せる関係です」

 かおりさんから小さいころの写真を見せてもらうと、かおりさんの存在をとても愛おしい思いで大切にしている数子先生の様子がわかります。