もし、この仕事をしていなかったら

 本作では“2つの世界”を舞台に、ひとつの世界では主人公の恋人として、もうひとつの世界では主人公の親友の恋人として登場し、難しい役どころを演じている。

「映像化が困難とうかがっていたので、これはやりがいがあるなと。台本もすごく難解でした。普通の台本と、時系列になっている解読用の台本の2冊あったんです。監督からは“これまで吉岡里帆がやってきた仕事とは、まったく違うことをしてほしい”と。なかなかOKが出なくて、かなり苦しんだシーンもありました」

 本作では、タイプが正反対の男性2人の恋人として登場!

「それぞれに魅力があって、染谷(将太)さん演じる智彦は一途なピュアさがあって、信用できる。一方で玉森さんが演じた崇史は、ちょっと強引で。“なんとしてでも一緒にいたい”という直球な感じに、女性はドキッとしちゃうのかなと思います

 本作では2つの世界を行ったり来たり。“パラレルワールド”については、

「同じ時間、同じ場所で違う自分がいるというのが、すごく面白いですよね。自分が信じている世界が、実は真逆の世界かもしれない。私ももしこの仕事をしていなかったら、とか、もし男性に生まれていたら……と考えることもあります」

 もし女優以外の自分がいるとするならば?

「私はずっと書道をしてきたので、書道教室の先生を地元の京都でやっていると思います。過去にはそういう道に行くことを考えた時期もあったんです。もしその道を進んでいたら、どうなっていたのかな。想像するだけでワクワクしますね(笑)」