事実婚も法律婚と同様の権利を

 中年になり、結婚に対する熱い夢はすでに失った。年齢的に子どもは難しい。

「そうなると別に法律婚をする必要もない、ということでの事実婚生活です」

 生活をともにするパートナーはいるけれど、妻の役割は果たさなくてOK。これをオイシイと考える女性は少なくないはず。

「夫でなければ妻でもないので、相手に対して“これをしてくれて当然”と思う気持ちが薄い。経済的にも互いにもたれかかっていないので、例えば相手が突然会社を辞めて起業すると言い出しても、自由にやってくれと思うばかりです」

 実際、結婚や家族をめぐる意識は多様化している。

 NHK放送文化研究所が'18年に発表した世論調査では、「必ずしも結婚する必要はない」と考える人は68%にのぼり、過去最高に。子どもに関する意識についても、調査を開始した'93年には「結婚したら子どもを持つのが当たり前だ」との回答が過半数を超えていたが、'03年から「必ずしも持たなくてもいい」が逆転し始め、'18年には後者が60%にまで上昇した。

結婚が“誰もがするもの・できるもの”という感覚は過去の遺物。ならば結婚というよりは、つがいづくりに新規参入しやすいように、事実婚も法律婚と同様の権利を与えるなど規制緩和をする必要性も感じます。法律婚という高すぎるハードルの前で立ちすくんで何もしないより、いいなと思う人と気軽に添うてみたほうがいい。

 これからは、自分たちが“家族”と思えば、どんな形態でも家族になっていく時代ではないでしょうか」

 子どもを産む・産まない。結婚をする・しない。どんな生き方をするにも自分で選んで、決めていい時代へーー。


さかい・じゅんこ/1966年東京都生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを発表。2004年『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。著書に『子の無い人生』『駄目な世代』『家族終了』など多数