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 チョコレートを前に“食べたいけど、太りたくない”の禅問答。食べたら食べたで、“あぁ太る”のプチ後悔。そんなジレンマに陥る女子を救うチョコこそが『LIBERA』だ。

「発売は'16年春。“罪悪感なく食べられる、おいしいチョコ”を叶えるべく、無類のチョコ好き女性によって開発されました」

 と話すのは、江崎グリコチョコレートマーケティング部の犀川有彩さん。この“夢のチョコレート”は開発に約2年を要した。

企画が頓挫した過去も

『LIBERA』に含まれる難消化性デキストリンには、腸での脂肪や糖の吸収を抑える効果がある
『LIBERA』に含まれる難消化性デキストリンには、腸での脂肪や糖の吸収を抑える効果がある

「脂肪や糖の吸収を抑える機能がある『難消化性デキストリン』が入った、機能性表示食品初のチョコレートです」

 特定保健用食品などの分野ではポピュラーな同成分は、トウモロコシ由来の食物繊維で、無味無臭だ。

「実は1度、企画が頓挫したことも……。当時は、難消化性デキストリンの効果をわかりやすくうたう方法が“特保”しかなく、時間や費用、難易度を考えると厳しかったんです。社内で、時期尚早との判断が下されました」

 しかし、'15年に機能性表示食品制度の開始により、プロジェクトも復活。

「人工甘味料は使わず、チョコ好き女性に納得してもらえる味が自慢です」

 ナチュラルでキュートなパッケージには、女性ならではの心憎い工夫も。

「職場で男性は特保などのお茶を堂々と飲む一方、女性は隠しながら飲む人が多いという調査結果が。気恥ずかしさに応えるべく“脂肪や糖の吸収を抑える”の効果文句は、開封すると“脂肪や糖”の部分がきれいに切り取られます」

 職場のデスクに置きっぱなしでも、余計なツッコミが入らない。かつ、手につきにくい。仕事中に息抜きに、ポイポイと口に運べるうえ、途中でストップできるジッパー付き。女性の心をがっちりつかみ、発売1年で計画の約3倍、1200万個が爆売れした。