現場となった市営住宅は最寄り駅から徒歩5分ほど。周辺は静かな住宅街
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 ほかにも岩本容疑者とみられる女の出入りを目撃していた住人がいた。津田容疑者宅と同じ階の60代女性だ。

「5月ぐらいに、私が家を出てエレベーターの方向に向かうとき、見ない顔だなと思いましたが、“こんにちは”とあいさつをすると、うつむいて、顔を私と反対に背けて返事をしたんです。違和感を覚えて、どこに行くのかと見ていたら、津田さんの家に入っていきました。髪は短めで身長は155センチくらい。太っているというわけではありませんが、体格のいい方という印象でした

深夜の叫び声

 仮に1月から岩本容疑者が同居していたのであれば、元妻の遺体がある部屋で、半年間も生活していた可能性も。2人はどのような関係なのか。

「岩本が神戸市内にあるうどんのチェーン店で正社員として働いていたところに、津田がアルバイトとして入ってきて知り合った。以来33年間、交際しているそうです」(前出・捜査関係者)

 妻の川越さんがいながらも続けられた、長年にわたる裏切り。前出の男性は、過去にあったトラブルを明かす。

「5年ほど前に“旦那が愛人宅に転がり込んだので離婚しようと思う”と奥さんに相談されたことがあった。旦那が帰ってこないから、覚悟を決めたんやろうね。ところが、ある日、ちょうど家の前で、ボストンバッグを2つ、手に下げた旦那と奥さんに出くわしてな。

 旦那は“女から一緒に住むつもりはないと言われた”と話しとった。女のところから旦那が帰ってきたもんだから、奥さんはすっごいうれしそうにしてな。テンション高くて私に抱きついて喜んどった

 昨年の11月には津田容疑者宅方面からの異変に気づいた女性がいた。

「午前2時ごろ、女性の“キャー、助けて”という尋常じゃない声が聞こえて、すぐに警察に通報したんです。その後、どうなったのかと思っていたんですが……まさか……」

 数か月後、変わり果てた姿の川越さんが発見された。

「刃物で刺したりロープで絞めたような痕はなかった」(前出・捜査関係者)

 33年にわたる裏切りの愛は献身的な元妻が発する異臭のなかで終わりを告げた。